Salesforceのレポートの数字が合わないときに確かめる順番
「同じレポートなのに、人によって件数が違う」「ダッシュボードとレポートの数字が合わない」。こうしたずれは、データの誤りのほかに、見ている条件や立場の違いからも生まれます。このページでは、検索条件、レポートタイプ、共有設定、ダッシュボードの実行ユーザーと更新、通貨と集計の順に、確かめる場所を公式ヘルプに沿って整理します。
この記事は、Salesforce の開発・保守を請け負う mtTech が、運用で迷いやすいことを公式の資料に沿ってまとめたものです。機能の説明は、末尾の公式の資料で確かめた内容です。
数字が違う原因の種類
- 原因 1表示と期間の条件[表示] で「私の」レコードに絞っていたり、[日付項目] の範囲が違ったりすると、同じ作りのレポートでも件数が変わります。[2]
- 原因 2レポートタイプ選んだレポートタイプで、レポートに出るレコードと項目が決まります。関連するレコードを持つものだけが出る種類もあります。[6][5]
- 原因 3見えるレコード共有設定、ロール、共有ルールで、ユーザーごとに参照できるレコードが違います。[8]
- 原因 4実行ユーザーダッシュボードは実行ユーザーの立場で表示され、その人のアクセス権に沿った数字になります。[9]
- 原因 5更新の時点ダッシュボードは更新しないと古いデータのままのことがあります。[12]
- 原因 6通貨と集計マルチ通貨の組織では、明細の金額と合計の金額で、表示される通貨が違います。[14]
1. レポートの表示と期間の条件をそろえる
最初に、比べている 2 つのレポートの検索条件を並べて見ます。ほとんどのオブジェクトには、標準の検索条件として [表示] と [日付項目] があります。[表示] は「私の取引先」「すべての取引先」のような絞り込みで、[日付項目] は作成日などの項目と期間の組み合わせです。[2]
所有者などのユーザーの項目で「相対値を使用」を選んだ検索条件は、開いた人に合わせて結果が変わります。条件値 $USER は、ログインしているユーザーの [名前] と照らし合わされます。同じレポートで人によって件数が違うときは、まずこの条件を確かめます。[3]
「今年」「今週」のような相対日付は、レポートを実行した日を基準に範囲が決まります。週の区切りは、エディションによってはユーザーの個人情報の [地域] で決まります。実行した日やユーザーの設定が違うと、範囲がずれることがあります。[4]
商談と活動のレポートでは、ロールやユーザーの階層をどこで選ぶかでも、出るデータが変わります。[1]
レポートビルダーのプレビューには、限られた件数しか出ません。件数は、保存して実行した結果どうしで比べます。[15]
2. レポートタイプで出るレコードを確かめる
レポートタイプは、レポートに出るレコードと項目を決めます。公式の FAQ では、期待したレコードが出ない理由として、レポートタイプが合っていないこと、そのレコードが必要な関連を持っていないことが挙げられています。[6][1]
カスタムレポートタイプでは、関連オブジェクトを追加するときに、関連の扱いを次のどちらかから選びます。[5]
- 「各 A レコードには関連する B レコードが少なくとも 1 つ必要」を選ぶと、子レコードを持つ親レコードだけが出ます。[5]
- 「A レコードに関連する B レコードの有無は問わない」を選ぶと、子レコードが無い親レコードも出ます。[5]
同じ商談の件数でも、どちらの作りのレポートタイプを使ったかで結果が変わります。比べる 2 つのレポートが、同じレポートタイプかを確かめます。[5]
3. 共有設定で見えるレコードの違いを確かめる
検索条件が同じでも、人によって件数が違うことがあります。ユーザーが参照できるレコードは、組織の共有設定、ロール、共有ルールなどで決まるためです。[8]
項目の権限も関係します。項目権限は、レポートを含むアプリケーションの各所で、その項目を表示するかを制御します。[8]
人による違いを調べるときは、2 人のユーザーのロールと権限を並べて確かめます。[8]
4. ダッシュボードの実行ユーザーと更新の時点を確かめる
ダッシュボードは、実行ユーザーの立場で表示されます。どのユーザーとして参照するかは、プロパティの [次のユーザーとしてダッシュボードを参照] で決めます。数字は実行ユーザーのアクセス権で決まるため、自分で開いたレポートと違うことがあります。[9][10]
閲覧者ごとに、その人が見られる範囲で表示したいときは、[ダッシュボード閲覧者] を選んで動的ダッシュボードにします。動的ダッシュボードでは、それぞれが自分でアクセスできる内容だけを見ます。[9][16]
次に、更新の時点を見ます。[最終更新日] で最後に更新した日付を確かめ、古ければ [更新] を押します。更新すると、そのダッシュボードを見られる全員の結果が新しくなります。[12]
Salesforce Classic で更新のスケジュールを組んだ場合、スケジュールの実行では検索条件が適用されません。動的ダッシュボードは更新のスケジュールを組めず、手動で更新します(2026年10月時点)。[13][11]
5. 通貨と集計の扱いを確かめる
マルチ通貨を使う組織では、レポートの明細の金額はそれぞれの元の通貨で、合計の金額は個人設定の通貨で表示されます。ユーザーごとに通貨の設定が違うと、合計の見え方も変わります。[14]
検索条件に金額を入れるとき、通貨コードを付けないと、ユーザーの通貨の金額とみなされます。同じ数字の条件でも、通貨の設定が違う人どうしでは意味が変わります。[14]
集計は、グループごとの小計と、全体の総計を計算します。比べる 2 つのレポートで、合計・平均・最大・最小のどれを使っているかもそろえます。[15]
質問と答え
同じレポートを開いているのに、上司と件数が違うのはなぜですか。
検索条件が開いた人に合わせて変わる作りか、共有設定で見えるレコードが違うことが考えられます。[表示] の条件と、ユーザーの項目に相対値($USER)を使っていないかを先に確かめます。[2][3][8]
ダッシュボードの数字が、レポートを開いたときと違います。
ダッシュボードは実行ユーザーのアクセス権で表示されます。実行ユーザーの設定と [最終更新日] を確かめ、古ければ [更新] を押します。[9][12]
動的ダッシュボードは、決まった時刻に自動で更新できますか。
2026年10月時点の公式ヘルプでは、動的ダッシュボードの更新はスケジュール設定できず、手動で更新すると案内されています。[11]
出典
- 私のレポートに期待するデータが返されない理由は?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.faq_reports_why_doesnt_my_report.htm(2026-10-24 確認)
- 検索条件種別リファレンス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.choosing_filter_options.htm(2026-10-24 確認)
- パーソナライズされたレポート検索条件の作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.reports_create_personalized_filter.htm(2026-10-24 確認)
- 相対日付検索条件の参照(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.filter_dates_relative.htm(2026-10-24 確認)
- 従来のカスタムレポートタイプビルダーでのカスタムレポートタイプの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.reports_defining_report_types.htm(2026-10-24 確認)
- レポートタイプリファレンス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.reports_report_type_reference.htm(2026-10-24 確認)
- 例: クロス条件での「関連しない」の使用(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.reports_cross_filters_without.htm(2026-10-24 確認)
- ユーザーのアクセス権の制御(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sf.security_data_access.htm(2026-10-24 確認)
- 私のダッシュボードに期待するデータが表示されない理由は?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.faq_dashboards_why_display_this_data.htm(2026-10-24 確認)
- Lightning Experience ダッシュボードの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.dashboards_create_lex.htm(2026-10-24 確認)
- 動的ダッシュボード(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.dashboards_dynamic_overview.htm(2026-10-24 確認)
- ダッシュボードデータの更新(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.dashboards_refresh.htm(2026-10-24 確認)
- Salesforce Classic でのダッシュボードの更新のスケジュール設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.dashboards_schedule_refresh.htm(2026-10-24 確認)
- マルチ通貨での検索のヒント(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.filtering_multiple_currencies.htm(2026-10-24 確認)
- レポートデータの集計(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.reports_builder_fields_summaries.htm(2026-10-24 確認)
- Lightning Experience での動的ダッシュボードの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=analytics.dashboards_dynamic_lightning.htm(2026-10-24 確認)