Salesforceで重複レコードを増やさない設定と見直し方
Salesforce に同じ会社や人のレコードが何件もあると、どれが正しいのか分からなくなります。重複を増やさないための仕組みが、一致ルールと重複ルールです。このページでは、2 つの役割の違いから、止め方の選び方、すでにある重複の片付け方、取り込みとの関係、運用での見直しまでを順に整理します。
この記事は、Salesforce の開発・保守を請け負う mtTech が、運用で迷いやすいことを公式の資料に沿ってまとめたものです。機能の説明は、末尾の公式の資料で確かめた内容です。
一致ルールと重複ルールの役割の違い
Salesforce の重複管理は、一致ルールと重複ルールの 2 つを組み合わせて動きます。名前が似ていますが、受け持つ仕事が違います。[1]
- 一致ルール:どの項目をどう比べたら重複とみなすかを決めます。重複ルールと重複ジョブの両方から使われます。[1][2]
- 重複ルール:重複が見つかったときに、画面で何をするかを決めます。作成や編集のときに警告を出すか、保存を止めるか、といった動きです。[2]
重複ルールは、使う一致ルールを指定して初めて動きます。比べ方を直したいときは一致ルールを、止め方を直したいときは重複ルールを見ます。[1][5]
標準のルールとカスタムのルール
取引先、取引先責任者、リードには、標準の一致ルールと重複ルールが用意されています。2026年10月時点の公式ヘルプでは、法人取引先、取引先責任者、リードの標準重複ルールは最初から有効と案内されています。個人取引先は、個人取引先を有効にした後で、ルールを有効化します。[3][4][9]
標準の一致ルールは編集できません。自社の項目で比べたいときは、カスタムの一致ルールを作ります。比べる項目は合計 10 個まで足せて、AND を OR に変えるといった条件のロジックも組めます。既存の一致ルールを編集するときは、先に無効にしておきます。[3][6]
日本語のデータでは、比べ方の選び方に注意が要ります。あいまい一致は、ラテン文字にだけ対応しています。国際データには完全一致を使うよう勧められています。[7]
有効にできる重複ルールは、1 つのオブジェクトにつき 5 個までです(2026年10月時点)。重複ルールの条件で、特定のプロファイルやロールのユーザーが作ったときだけ動かす、といった絞り込みもできます。[8][5]
ブロックと警告の選び方
重複ルールでは、重複を見つけたときの動きを選びます。作成時の既定の動きは、警告を出し、保存された重複をレポートに残す設定です。[5]
- 動き 1警告重複の候補を画面に出します。担当者はそのまま保存することも、既存のレコードを開きに行くこともできます。[9]
- 動き 2ブロック重複の候補は見られますが、新しいレコードは保存できません。[9]
- 動き 3レポート保存された重複を重複レコードセットに記録します。後で集計して、ルールを調整する材料になります。[5][8][14]
公式ヘルプでは、重複レコードのレポートを使ってルールを微調整するよう案内されています。まず警告とレポートで動かし、出てきた重複の中身を見てから、ブロックにする条件を決める進め方が考えられます。1 つのオブジェクトに複数のルールを置くときは、ブロックのルールを許可のルールより先に並べます。最初に一致したルールの後のルールは、そのレコードを飛ばすためです。[5][14]
[共有ルールをスキップ] を選ぶと、担当者が見る権限を持たないレコードとも比べます。その場合も、見えないレコードの中身は表示されません。[9]
すでにある重複の見つけ方とマージ
すでに入っている重複を探す方法は、次のとおりです。[10][11][13]
- [潜在的な重複] コンポーネント:Lightning アプリケーションビルダーでレコードページに置くと、重複のあるレコードを開いたときに知らせます。[10]
- 重複ジョブ:一致ルールを使って、組織全体の取引先、取引先責任者、リードから重複を探します。2026年10月時点で、使えるのは Performance Edition と Unlimited Edition です。[11]
- 重複レコードセットとレポート:見つかった重複は重複レコードセットにまとまります。カスタムレポートタイプを作れば、レポートで一覧にできます。[13][14]
Lightning Experience では、同じオブジェクトのレコードを 3 件まで選んでマージできます。残す主レコードを選び、ほかの項目の値をどちらから取るかを選びます。主レコード以外はごみ箱に移ります。作成者と作成日は、主レコードに関係なく最も古いレコードのものが残ります。[10][15][16]
取り込みや API との関係
重複ルールは画面の入力だけでなく、取り込みや API の処理でも重複を検出します。ただし、データインポートツールで追加したときや、API で追加・編集したときは、警告は出ず、レコードは保存されません。[1][8]
API では、DuplicateRuleHeader の allowSave を true にすると、警告の設定のルールで重複が見つかっても保存されます。連携の作りとルールの設定を、合わせて決めておきます。[18]
データインポートウィザードでは、取り込む前に、既存のレコードとどう突き合わせるかを選べます。取引先責任者なら、Salesforce ID、名前、メール、外部 ID で一致させられます。取り込みの前に CSV を整えておくと、重複を持ち込みにくくなります。[17][19]
同時に保存した複数のレコードどうしは、ブロックや警告の判定では比べられません。比べる相手は、すでに Salesforce にあるレコードだけです。[8]
運用で見直すこと
ルールは作って終わりではありません。次の点を、定期的に見直します。[14][8]
- 重複レコードのレポート:警告を受けても保存された重複を見て、一致ルールの条件が広すぎないか、狭すぎないかを確かめます。[14]
- 一致ルールの項目:編集されたレコードでルールが動くのは、編集した項目が一致ルールに入っているときだけです。項目を足したら、一致ルールに入れるかを決めます。[8]
- 項目の権限:一致ルールが使う項目に権限のないユーザーが保存すると、重複を見つけられません。[8]
- 項目の変更:組織で使えなくなった項目を対応付けた一致ルールは、無視されることがあります。項目を変えたら、重複ルールの対応付けを確かめます。[7]
重複ジョブを使うときは、同じオブジェクトと一致ルールでジョブを作り直すと、前の結果が上書きされる点にも注意します。[12]
質問と答え
一致ルールだけを有効にすれば、重複は止まりますか。
止まりません。一致ルールは比べ方を決めるだけで、警告やブロックといった動きは重複ルールで決めます。重複ルールに一致ルールを指定して、両方を有効にします。[1][2][5]
日本語の会社名で、表記の揺れを拾えますか。
あいまい一致はラテン文字にだけ対応しているため、日本語の表記の揺れを拾う前提では組めません。国際データには完全一致が勧められています。電話番号やメールなど、表記がそろいやすい項目を条件に入れる方法が考えられます。[7][6]
出典
- 重複の検出と処理プロセス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_detection_and_handling.htm(2026-10-24 確認)
- 重複管理のカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_prevention_map_of_tasks.htm(2026-10-24 確認)
- 標準一致ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_standard_rules.htm(2026-10-24 確認)
- 標準重複ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_standard_rules.htm(2026-10-24 確認)
- 重複ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_create.htm(2026-10-24 確認)
- 一致ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_create.htm(2026-10-24 確認)
- 一致ルールをカスタマイズする前に知っておくべきこと(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_considerations.htm(2026-10-24 確認)
- 重複ルールに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_overview.htm(2026-10-24 確認)
- ユーザーによる重複レコードの作成を防止(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_prevention.htm(2026-10-24 確認)
- Lightning Experience での重複レコードの表示(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicates_existing_setup.htm(2026-10-24 確認)
- Lightning Experience で重複ジョブを使用して、組織全体の重複を検索する(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_jobs.htm(2026-10-24 確認)
- 重複ジョブに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_jobs_considerations.htm(2026-10-24 確認)
- 重複レコードセットを使用した重複の管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_management_duplicate_record_sets.htm(2026-10-24 確認)
- 重複レコードに関するレポートの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_management_custom_report_types.htm(2026-10-24 確認)
- Lightning Experience での重複する取引先のマージ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.account_merge_lex.htm(2026-10-24 確認)
- 重複する取引先のマージに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.account_merge_considerations.htm(2026-10-24 確認)
- 法人取引先と取引先責任者にインポートされる情報は?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.for_accounts_and_contacts.htm(2026-10-24 確認)
- DuplicateRuleHeader(SOAP API 開発者ガイド)developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.api.meta/api/sforce_api_header_duplicateruleheader.htm(2026-10-24 確認)
- データインポートウィザードを使用したデータのインポート(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.import_with_data_import_wizard.htm(2026-10-24 確認)