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開発例 No.26

Salesforceの重複した取引先の統合と重複ルール設定の進め方

同じ会社の取引先が複数あると、どれを使えばよいか迷います。このページでは、今ある重複をまとめる方法と、新しく登録するときに重複を知らせる設定を、公式ヘルプの内容をもとに説明します。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

Salesforce には、重複を見つけるための一致ルールと、見つけた後の動きを決める重複ルールがあります。設定の状態によって、次のようなことが起こりえます。[1]

  • 取引先を登録しても、重複の知らせが出ない。[2][13]
  • 社名の書き方が少し違う取引先が、別々のレコードとして残っている。[4]
  • 同じ会社の活動などの記録が、複数の取引先に分かれてついている。[10]
  • データを一括で取り込んだ後に、重複が残っていないか気になる。[5]

なぜ起きるのか

Salesforce では、一致ルールが項目を比べて重複を見つけます。そのうえで、重複ルールが警告を出すか、保存を止めるかを決めます。どちらかの設定が業務に合っていないと、重複が残ります。[1]

  • 取引先の標準一致ルールは、取引先名に加えて市区郡や郵便番号などの値を使います。これらの項目が空だと、正確に照合しにくくなります。[3]
  • あいまい一致が対応するのはラテン文字だけです。日本語のような国際データには、完全一致が勧められています。そのため、日本語の社名の表記の違いは拾いにくくなります。[4]
  • 取引先の標準重複ルールは、既定で有効です。作成時の既定の動作は「許可」で、警告は出ますが保存はできます。[2]
  • 複数のレコードを同時に保存すると、レコード同士は比べられません。比べる相手は、すでに Salesforce にあるレコードだけです。データインポートツールや API で追加する場合も、画面での登録とは動きが異なります。[5]

直し方の選択肢

対応は大きく2つです。今ある重複をまとめることと、新しく登録するときに重複へどう対応するかを決めることです。[1]

  • マージ: Lightning Experience では、同じオブジェクトのレコードを最大3件選び、1件にまとめます。残す主レコードと、残す項目の値を選べます。[9][13]
  • 許可: 重複の可能性を警告したうえで、保存を認めます。利用者は既存のレコードを開いて確かめることもできます。[6]
  • ブロック: 重複の可能性がある場合、新しいレコードの保存を止めます。[6]
  • レポート: 重複ルールで[レポート]オプションを選ぶと、警告の後に作られた重複をレポートで確かめられます。[11]
  • 重複ジョブ: 組織全体から重複を探す機能です。2026年10月時点のヘルプでは、対象は Performance Edition と Unlimited Edition です。[12]

作業の流れ

  • 現状を確かめる: [設定]の[クイック検索]で[一致ルール]と[重複ルール]を開き、取引先のルールが有効か、どの動作になっているかを見ます。[2][7][8]
  • 控えを取る: マージの前に、[データのエクスポート]でデータを CSV ファイルに書き出します。マージで主レコード以外の取引先は、ごみ箱に移ります。[14][10]
  • マージする: 取引先を開き、表示された重複から最大3件を選びます。主レコードと残す値を選び、内容を確かめてからマージします。[9]
  • 一致ルールを調整する: 標準のルールで足りないときは、カスタム一致ルールを作ります。既存のルールを編集するときは、先に無効にします。有効化には時間がかかることがあり、終わるとメールで知らされます。[8]
  • 重複ルールを設定する: 許可かブロックか、レポートを残すかを選びます。比べる一致ルールを選び、保存して有効にします。[7]
  • 知らせとレポートを用意する: Lightning アプリケーションビルダーで、取引先のページに[潜在的な重複]コンポーネントを置きます。あわせて、[重複レコード項目]を関連付けたレポートタイプを作ります。[13][11]

気をつけること

  • 取引先のマージには、取引先の「削除」権限が要ります。そのうえで、システム管理者か取引先の所有者、またはロール階層で所有者より上のユーザーである必要があります。[9]
  • Lightning Experience でマージできるのは、重複ルールで検出された取引先です。それ以外は Salesforce Classic のマージツールを使うよう案内されています。[9]
  • マージ後のレコードには、元のレコードのうち作成日が古いものの作成者と作成日が残ります。Chatter フィードは主レコードの分だけが残ります。[10]
  • 1つの重複ルールに入れられる一致ルールは3件までです。有効な重複ルールと有効な一致ルールは、それぞれ1つのオブジェクトにつき5件までです。[5][4]
  • 有効な重複ルールが複数あると、先に一致したルールが優先されます。ブロックのルールを、許可のルールより前に並べるよう勧められています。[7]
  • 一致ルールが使う項目へのアクセス権がない利用者が保存すると、重複は識別されません。項目の権限もあわせて確かめます。[5]

想定工数の目安

重複した取引先をまとめ、増えないようにする6〜16時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

一度に何件まで取引先をマージできますか。

Lightning Experience では、同じオブジェクトのレコードを最大3件まで選んでマージできます。それより多いときは、何回かに分けて進めます。[9][13]

マージした後、活動などの関連する記録はどうなりますか。

重複したレコードにつながっていたキャンペーンや活動などは、マージ後のレコードに付け替えられます。ただし例外があり、Chatter フィードは主レコードの分だけが残ります。主レコード以外の取引先は、ごみ箱に移ります。[10]

警告とブロックは、どう違いますか。

許可では警告が出ますが、利用者はそのまま保存できます。既存のレコードを開いて確かめることもできます。ブロックでは、重複の可能性を確かめることはできますが、新しいレコードは保存できません。[6]

組織全体の重複をまとめて探せますか。

重複ジョブを使うと、組織全体から重複を探せます。2026年10月時点のヘルプでは、対象は Performance Edition と Unlimited Edition です。重複ルールで[レポート]オプションを選んでおくと、警告の後に作られた重複をレポートで確かめられます。[12][11]

出典

  1. 重複レコードの管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.managing_duplicates_overview.htm(2026-10-23 確認)
  2. 取引先の標準重複ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_standard_account_rule.htm(2026-10-23 確認)
  3. 取引先の標準一致ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_standard_account_rule.htm(2026-10-23 確認)
  4. 一致ルールをカスタマイズする前に知っておくべきこと(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_considerations.htm(2026-10-23 確認)
  5. 重複ルールに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_overview.htm(2026-10-23 確認)
  6. ユーザーによる重複レコードの作成を防止(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_prevention.htm(2026-10-23 確認)
  7. 重複ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_create.htm(2026-10-23 確認)
  8. 一致ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_create.htm(2026-10-23 確認)
  9. Lightning Experience での重複する取引先のマージ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.account_merge_lex.htm(2026-10-23 確認)
  10. 重複する取引先のマージに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.account_merge_considerations.htm(2026-10-23 確認)
  11. 重複レコードに関するレポートの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_management_custom_report_types.htm(2026-10-23 確認)
  12. Lightning Experience で重複ジョブを使用して、組織全体の重複を検索する(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_jobs.htm(2026-10-23 確認)
  13. Lightning Experience での重複レコードの表示(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicates_existing_setup.htm(2026-10-23 確認)
  14. Salesforce からバックアップデータをエクスポートする(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.admin_exportdata.htm(2026-10-23 確認)

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