Salesforce のデータのバックアップと、消えたときの戻し方
Salesforce で大事なレコードを消してしまった、取り込みで値を上書きしてしまった、というときに戻せるかどうかは、普段の備え方で変わります。このページでは、Salesforce の標準の機能と、アドオンライセンスで使う Backup and Recover でできることを並べ、何をどの頻度で残すか、戻すときに何に気をつけるかを、公式の資料に沿って整理します(2026年10月時点)。
この記事は、Salesforce の開発・保守を請け負う mtTech が、運用で迷いやすいことを公式の資料に沿ってまとめたものです。機能の説明は、末尾の公式の資料で確かめた内容です。
バックアップは利用者の側でも考える
Salesforce は基盤の障害に備えた控えを持っていますが、利用者の操作ミスなどで変わったデータを業務の単位で戻すことは、その対象外とされています。そのため、自社でバックアップの計画を立てるよう案内されています。[15]
標準のごみ箱は、削除したレコードを一定の期間残すだけです。値の書き換えやデータの破損には使えません。ウィークリーのエクスポートも、ある時点の控えで、戻すための仕組みは付いていません。[16]
標準の機能と Backup and Recover を比べる
- 方法 1データのエクスポートサービス[設定] から組織の全データを CSV ファイルにまとめて書き出します。エディションに応じて週次または月次で、手動でも予定を組んでも実行できます[1]
- 方法 2ごみ箱削除したレコードは 15 日間残り、その間は元に戻せます。Salesforce サポートに依頼して、保存期間を 30 日に延ばす機能もあります。延ばした分は、Salesforce Classic のごみ箱で探す必要がある場合があります[3][4][17]
- 方法 3データローダー別にインストールするツールで、オブジェクトごとに項目と条件を選んで CSV に書き出します。[すべてをエクスポート] では、論理削除されたレコードも含められます[7][6]
- 方法 4Backup and Recoverアドオンライセンスで使う機能です。データ、添付ファイル、メタデータなどを毎日バックアップし、変更を比べて、影響を受けたオブジェクト・項目・レコードだけを戻せます[8]
- 方法 5Backup & Recover Next初回に全体を取り、その後は日次で差分を取る形のバックアップです。どれが使えるかは、契約とエディションで確かめます(2026年10月時点)[10][8]
どの頻度で何を残すか
標準の機能で備えるなら、データのエクスポートサービスの予定を組むのが基本になります。手動の実行は、ウィークリーで 7 日ごと、マンスリーで 29 日ごとに 1 回までです(2026年10月時点)。[1]
- 予定を組むときは [すべてのデータを含める] を選びます。対象はその時点のオブジェクトなので、オブジェクトを増やしたら選び直します。[1]
- 添付ファイルや Salesforce Files も残すなら、対応するオプションを選びます。[1]
- できたファイルは、通知メールの送信から 48 時間(週末を除く)で消えます。次のエクスポートがキューに入った時点でも前のファイルは消えるため、届いたら社内の保管場所に移します。[1][2]
- 数式項目と積み上げ集計項目、ごみ箱の中のデータは含まれません。[2]
エクスポートの完了日時に保証はなく、1 週間以上かかることもあります。特定のオブジェクトだけを取りたいときは、データローダーで項目と条件を選んで書き出せます。[2][6]
項目履歴は、項目監査履歴を使わない場合、最大 18 か月、API では最大 24 か月保持されます。古い変更の記録も残したいときは、期限の前にデータローダーなどで書き出しておきます。[12]
消えたと気づいたときの順番
- 1. 本当に消えたかを確かめる:別のユーザーに移されて見えなくなっただけのこともあります。管理者などに、レコードが残っていないかを探してもらいます[11]
- 2. ごみ箱を見る:[すべてのごみ箱] に切り替えて探し、見つかれば復元します。件数が多いときは、API の Undelete で一括で戻せることがあります[11][5]
- 3. 削除済みのレコードを API で探す:ごみ箱から消えても、完全に消去されるまでは API で見えることがあります。この状態のレコードは復元できませんが、書き出して作り直せます[11]
- 4. バックアップと Sandbox を探す:直近のエクスポートのファイルや、最近作成・更新した Full Sandbox にデータがあれば、そこから作り直します[11]
戻す手段の一部には時間の制約があるため、原因の調査と並行して戻す作業を進めるよう案内されています。オブジェクトごと削除されていないかは、設定変更履歴で確かめます。[11]
戻すときの注意
ごみ箱から親レコードを戻すと、一緒に削除された子レコードも戻ります。ただし、子を先に削除してから親を削除した場合は、親を戻しても子は戻りません。参照関係は、ほかのリレーションに置き換わっていなければ戻ります。[11][3]
ファイルから作り直すと、レコード ID は新しく振られます。取引先と取引先責任者のように関連があるデータは、親を先に作り、子の参照先を新しい ID に置き換えてから取り込みます。古い ID を外部 ID 項目に残しておくと、関連付けに使えます。[11]
作成者や作成日などは、元の値を含むバックアップがあれば、「監査項目の作成」権限で元のまま作り直せる場合があります。[11]
Backup and Recover のアプリで戻すときも、戻すレコードのオブジェクトに対する権限が要ります。大きな復元では、バックアップから書き出してデータローダーなどで取り込む方法もあります。[9]
Full Sandbox を作るときは、項目追跡履歴を含めるかを選びます。テストに要る場合だけ含めるよう案内されています。[13]
設定(メタデータ)の控え
データとは別に、カスタム項目、レイアウト、レポート、Apex コードなどの設定も控えておくよう案内されています。Backup and Recover は、メタデータもバックアップの対象です。[15][8]
Sandbox は、Developer Sandbox でも本番組織の設定(メタデータ)のコピーを含みます。誰がいつ設定を変えたかは、設定変更履歴で過去 180 日分をダウンロードできます。それより古い記録は消えるため、定期的に書き出しておきます(2026年10月時点)。[13][14]
質問と答え
誤って削除したレコードは、何日以内なら戻せますか。
ごみ箱にあれば、削除から 15 日以内に戻せます。Salesforce サポートに依頼して 30 日に延ばす機能もあり、延ばした分は Salesforce Classic のごみ箱で探す場合があります(2026年10月時点)。ごみ箱から消えた後は、エクスポートのファイルなどから作り直します。[3][4][11][17]
ウィークリーのエクスポートだけで足りますか。
組織全体の控えにはなりますが、ごみ箱の中のデータや数式項目は含まれず、戻すための仕組みもありません。上書きされた値だけを戻したい場合は、変更を比べて戻せる Backup and Recover が選択肢になります。[2][16][8]
Sandbox でもデータのエクスポートサービスを使えますか。
使えません。要求はできても処理されません。Sandbox のデータを取り出すときは、データローダーなどの API のツールを使います。[1][11]
作り直したレコードの作成日は元のままになりますか。
ファイルから作り直すと新しいレコードになり、ID も新しくなります。元の作成者や作成日を含むバックアップがあれば、「監査項目の作成」権限で元の値のまま作り直せる場合があります。[11]
出典
- Salesforce からバックアップデータをエクスポートする(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.admin_exportdata.htm(2026-10-24 確認)
- データのエクスポートに関する FAQ(ナレッジ記事 000383962)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=1&id=000383962(2026-10-24 確認)
- Salesforce Classic のごみ箱内の項目の表示、復元、管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.home_delete.htm(2026-10-24 確認)
- 「Extended Recycle Bin Retention (ごみ箱保存期間の延長)」を有効にする(ナレッジ記事 000387160)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=1&id=000387160(2026-10-24 確認)
- ごみ箱にある複数のレコードを復元する方法(ナレッジ記事 000384757)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=1&id=000384757(2026-10-24 確認)
- データのエクスポート(データローダーガイド)developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.dataLoader.meta/dataLoader/exporting_data.htm(2026-10-24 確認)
- データのエクスポート(Trailhead)trailhead.salesforce.com/ja/content/learn/modules/lex_implementation_data_management/lex_implementation_data_export(2026-10-24 確認)
- Salesforce バックアップおよびリカバリを使用したデータのバックアップ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.backup_recover_o_overview.htm(2026-10-24 確認)
- バックアップからのデータの復元(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.backup_restore_run_restore.htm(2026-10-24 確認)
- Salesforce バックアップおよびリカバリを使用したデータのバックアップとリカバリ Next(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.backup_recover.htm(2026-10-24 確認)
- Salesforce のレコードとデータを回復する(ナレッジ記事 000384460)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=1&id=000384460(2026-10-24 確認)
- 項目履歴管理の概要(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.tracking_field_history.htm(2026-10-24 確認)
- Sandbox の種別およびテンプレート(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=platform.create_test_instance.htm(2026-10-24 確認)
- 設定変更履歴を使用した設定変更の監視(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.admin_monitorsetup.htm(2026-10-24 確認)
- Back Up Data for Recovery(Salesforce Help)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.availability_back_up_data_for_recovery.htm&language=en_US&type=5(2026-10-24 確認)
- Get Started with Backup & Recover(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/backup-recover-basics/get-started-with-backup-recover(2026-10-24 確認)
- Enable Extended Recycle Bin Retention in Salesforce Classic and Lightning(Salesforce Help)help.salesforce.com/s/articleView?id=000387160&language=en_US&type=1(2026-10-25 確認)