Salesforce で問い合わせを担当に届ける仕組みの選び方
Salesforce で問い合わせを受けると、ケースが作られ、だれかの担当になり、期限までに返事をする流れになります。この流れには、受け付け経路、キュー、割り当てルール、エスカレーションルールなど、役割の違う機能が関わります。このページでは、それぞれが何を受け持つかと、選ぶときの考え方を整理します。
この記事は、Salesforce の開発・保守を請け負う mtTech が、運用で迷いやすいことを公式の資料に沿ってまとめたものです。機能の説明は、末尾の公式の資料で確かめた内容です。
問い合わせが担当に届くまでの流れ
問い合わせがケースになって担当に届き、返事をするまでには、役割の違う機能がいくつも関わります。大きく分けると、次の 4 つの段になります。[9][10][11]
- 1. 受け付ける。メール-to-ケースや Web-to-ケースで、問い合わせからケースを作ります。[1][3]
- 2. 届け先を決める。ケースの割り当てルールで、ユーザーかキューに割り当てます。[6][9]
- 3. 受け付けたことを知らせる。自動レスポンスルールで、顧客に返信メールを送ります。[10]
- 4. 期限を見張る。エスカレーションルールや、エンタイトルメントのマイルストーンで、遅れに対応します。[11][18]
どの段も、ケースの項目を条件にして動きます。公式の計画の手引きでも、だれが受け持つかを決める項目を先に決め、その情報をケースの作成時に集めるかを考えるよう案内されています。[6][10][7]
受け付け経路を決める
メール-to-ケースは、サポート用のアドレスに届いたメールからケースを作ります。送ったメールと顧客の返信は、メールスレッドで同じケースにまとまります。[1]
受け付けるアドレスは、ルーティングアドレスとして 1 つずつ登録します。アドレスごとに、ケースの優先度、ケース発生源、レコードタイプ、ケース所有者を決められます。[2]
ここで注意したいのは、ケース所有者を指定すると、自動の割り当てルールが働かなくなることです。件名や本文の言葉で振り分けたいときは、この項目を空けておき、割り当てルールに任せます。[2]
Web-to-ケースは、自社の Web サイトのフォームから送られた内容でケースを作ります。作られたケースの発生源の既定値を決められ、迷惑な送信への対策として reCAPTCHA の確認を求めることもできます。[3]
どちらの経路で作られたケースも、有効なケースの割り当てルールの条件に沿って、ユーザーかキューに割り当てられます。[9]
届け先を決める仕組みを比べる
- 仕組み 1キューチームで仕事を分け合うための置き場です。ケースはキューに入り、メンバーが所有権を取るまで留まります。作れる数に上限はありません。[5][4]
- 仕組み 2ケースの割り当てルール項目の値や数式を条件に、ユーザーかキューへ割り当てます。エントリを順に調べ、最初に一致したところで止まります。[6]
- 仕組み 3デフォルトのケース所有者どのエントリにも一致しなかったケースの行き先です。[サポート設定] で、有効なユーザーかキューを選びます。[8]
- 仕組み 4オムニチャネルキューに入った作業を、対応できる担当者へリアルタイムで転送します。担当者がキューから手で選ぶ必要がなくなります。[4][14]
割り当てルールとオムニチャネルの使い分け
ケースの割り当てルールは、組織で一度に 1 つだけ有効にできます。条件の違いは、1 つのルールの中のエントリで書き分けます。休日用のルールを無効のまま作っておき、その期間だけ切り替える使い方も紹介されています。[7]
最後のエントリは条件を付けずに作り、前のエントリで拾えなかったケースを受け止めるよう勧められています。[6]
担当者がキューのリストビューから自分でケースを取る運用なら、キューと割り当てルールの組み合わせで回せます。担当者の手の空き具合に合わせて配りたいときに、オムニチャネルを考えます。オムニチャネルは、優先度の高い作業から、待ち時間の長い順に転送します。[9][15]
スキルベースのルーティングでは、必要なスキルをすべて持ち、手が空いている担当者に転送します。キューを単位に配るより、細かな条件で振り分けられます。[16]
オムニチャネルで転送された作業を担当者が受け入れただけでは、割り当てルールやエスカレーションルールなどは動きません。担当者がレコードを編集して保存したときに動きます。また、メール-to-ケースでは、オムニチャネルフローと別の自動化で同じケースを転送しないよう案内されています。[15][2]
受け付けの返信と期限の管理
自動レスポンスルールは、受け付けたケースの内容に応じて、顧客に返信メールを送ります。有効にできるのは一度に 1 つで、最初に一致したエントリのテンプレートで送ります。メール-to-ケースには既定のテンプレートがないため、条件なしの最後のエントリが特に大事とされています。[10]
エスカレーションルールは、決めた時間内に解決しなかったケースを、別のユーザーやキューに付け替えたり、通知メールを送ったりします。1 つのエントリにアクションを 5 つまで重ねられ、営業時間の中でだけ動きます。[11][12]
契約で約束した最初の対応や解決までの時間を追うときは、エンタイトルメント管理を使います。マイルストーンはエンタイトルメントプロセスの中の必要なステップで、違反に近いときや違反したときのアクションを付けられます。[18][19]
エンタイトルメント管理の項目を有効にして作成・更新できるのは、2026年10月時点で Agentforce サービス(旧 Service Cloud)を使う組織のユーザーです。また、マイルストーンの警告と違反のアクションは、目標日の前後の時間を数えるときに営業時間を考えません。[17][19]
運用で見直すこと
仕組みを作った後も、体制や問い合わせの中身が変わると、届け先がずれていきます。次の点を定期的に確かめます。[6][13]
- 割り当てルールの条件とキューが、今のチームの分け方に合っているか。条件に使ったカスタム項目を削除すると、そのエントリも消えます。[6]
- 割り当て先のユーザーが今も担当しているか。ルールで指定しているユーザーは、そのままでは無効にできません。[6]
- デフォルトのケース所有者に、行き先の決まらないケースがたまっていないか。[8]
- キューのメンバー。個々のユーザーのほか、ロールや公開グループでも追加できます。[5]
- エスカレーションの通知先と経過時間。担当が変わったら、通知するユーザーや追加のメールアドレスを見直します。[12]
- 営業時間と休日。拠点やタイムゾーン、対応時間が変わったら、エスカレーションの前提も変わります。[13][11]
質問と答え
ケースの割り当てルールは複数有効にできますか。
一度に有効にできるのは 1 つです。条件の違いは、1 つのルールの中のエントリで書き分けます。休日用などは、無効のルールとして用意しておき、切り替えて使います。[7]
メール-to-ケースのケースが割り当てルールで振り分けられません。
ルーティングアドレスの [ケース所有者] を指定していると、自動の割り当てルールは働きません。振り分けを割り当てルールに任せるときは、この項目を空けておきます。[2]
出典
- メール-to-ケースを使用したメールの送受信(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.customizesupport_email.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- メール-to-ケースのルーティングアドレスの追加(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.customizesupport_configuring_routing_addresses.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- Web-to-ケースの有効化とカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.setting_up_web-to-case.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- キューの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.queues_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- キューの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.setting_up_queues.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- 割り当てルールの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.creating_assignment_rules.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- 割り当てルールのガイドライン(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.customize_leadrules.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- サポート設定のカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.customize_supportrules.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- ケースの割り当て(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cases_assign.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- 自動レスポンスルールの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.creating_auto-response_rules.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- エスカレーションルールの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.rules_escalation_create.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- エスカレーションアクション(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.rules_escalation_actions.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- エスカレーションルールの計画(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.rules_escalation_best_practices.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- オムニチャネルによる作業の転送(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.omnichannel_intro.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- キューへの転送(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.omnichannel_routing.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- スキルベースのルーティングとキューベースのルーティングの違い(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.omnichannel_skills_based_routing_comparison_to_queues.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- エンタイトルメント管理とは?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.entitlements_about.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- エンタイトルメントの用語(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.entitlements_terms.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)
- マイルストーンアクション(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.entitlements_milestones_actions_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-24 確認)