Salesforceを社内で使ってもらう進め方:原因・後押し・測定
Salesforce は、入れただけで社内に根付くとは限りません。このページでは、Trailhead のユーザー導入(アダプション)の単元、公式ヘルプ、Salesforce Admins のブログに沿って、使われない原因の見つけ方から、経営層の後押し、トレーニング、利用状況の測り方、利用者の声を集めて直し続ける流れまでを、順番に整理します。
この記事は、Salesforce の開発・保守を請け負う mtTech が、運用で迷いやすいことを公式の資料に沿ってまとめたものです。機能の説明は、末尾の公式の資料で確かめた内容です。
1. 使われない原因を先に見つける
Trailhead では、作り込む前に今の業務の流れを書き出すよう勧めています。各段階で何をしているか、誰にとってうまくいっているか、一部の人しかできていないことは何かを、現場の責任者と一緒に確かめます。[1]
手作業で続けている作業と、複数のシステムを行き来しないと終わらない場面は、Salesforce に寄せる候補です。不要な手順を外し、要るデータを一か所にまとめると、使いたくなる仕組みに近づきます。[1]
すでに使っている組織では、入力の負担を疑います。Salesforce Admins のブログは、必須項目を何十個も並べた設定を、定着を妨げる原因の一つに挙げています。利用者の業務を支えていない項目や手順は、見直しの対象です。[10]
データの様子も手がかりになります。同じ段階で止まったままの商談や、完了予定日が過ぎた商談が目立つときは、入力が追いついていない合図です。探しにくい、流れが分からない、別の表計算で管理を続けている、といった理由がないかを確かめます。[4]
2. 経営層に後押しを頼む
経営層の支持は、早い段階で取り付けるほど後で効いてきます。まず各部門が Salesforce に何を期待しているかを聞き、できることを率直に伝えて、期待をそろえます。[1]
そのうえで、具体的な後押しを頼みます。Trailhead が挙げる例は次のとおりです。[1]
- 月に何日以上ログインするかを、営業担当者に求める[1]
- 開始の案内のメールや動画に登場し、使ってほしいと伝える[1]
- 売上予測と商談の管理を Salesforce だけで行い、チームにも同じことを求める[1]
開始後は、経営層自身が Salesforce を使い、周りにも使うことを求める姿勢が要になります。会議で表計算ではなく Salesforce のレポートやダッシュボードを開いて話すと、使う意味が伝わります。[2][10]
経営層には、開始時だけでなく導入の期間を通して関わってもらいます。早くから使い始めた人や詳しい利用者にも、周りを手伝う推進役を頼みます。[5]
3. トレーニングの方法を選ぶ
4. 伝え方とアプリケーション内ガイダンス
どの方法でも、機能ごとに、何ができるか、利用者にどう役立つか、どう操作するかをそろえて伝えます。研修の計画では、いつどう使ってほしいか、成果をどう測るか、利用者にとって何が得かを先に示すよう勧められています。[2][5]
管理職にも、自分の業務に要るレポートの出し方と、チームとのやり取りの仕方を教えます。[2]
画面の中で案内するには、アプリケーション内ガイダンスを使います。種類は次のとおりです。[9]
- フロート表示プロンプトは、ページ上の 9 か所のどこかに出す短い案内です。[9]
- 対象プロンプトは、特定の項目などを矢印で指して説明します。[9]
- ドッキングプロンプトは、画像や動画、手順を入れられる大きめの案内です。[9]
- ウォークスルーは、最大 10 個のプロンプトをつないで手順を案内します。公式は 5 ステップまでに収めるよう勧めています。エディションによっては、同時に有効にできるウォークスルーの数に上限があります(2026年10月時点)。[9]
[設定] の [アプリケーション内ガイダンス] では、案内を見た人数(Views)と、ボタンを押すなどして最後まで進んだ人の割合(Completes)を確かめられます。数字を見て、出す場所、文面、表示の回数を直します。[6]
5. ログインと利用状況を測る
Trailhead は、最初の目安としてログイン率、レコードの作成、レコードの更新を挙げています。たとえば、直近 30 日に作られた商談や完了した活動の数、直近 7 日のログイン率です。誰がログインしていないか、それはなぜかまで確かめます。[4]
ログインの状況は、標準の管理レポートで追えます。有効ユーザー一覧レポートは最終ログイン時刻を、今週ログインしたユーザー一覧レポートは過去 7 日間にログインした人を表示します。ユーザーのカスタムレポートで [ログイン日/時間] を空白の条件にすると、一度もログインしていない人も出せます。[7]
[ログイン履歴] のページでは、過去 6 か月分、最大 20,000 件のログインの記録を見られます(2026年10月時点)。それより多いときは CSV などに書き出します。[8]
指標は、目指す使い方に合わせてダッシュボードにまとめ、少なくとも月に 1 回見ます。伸びが鈍いときは、追加の研修や個別の手助けが要る合図です。各担当者のログイン日数や作った商談の数をダッシュボードで示し、よく使っている人を紹介する方法も紹介されています。[4][2]
6. 利用者の声を集め、定期的に直す
開始後も、改善の案と、うまく動かない点の報告の両方を集めます。どちらも同じように大切だとされています。送り先を一つに決めておくと、利用者は声が届いたと感じられ、管理者も整理しやすくなります。[3]
集め方は、次の 2 つを組み合わせます。[10]
- 利用者の委員会:よく使う人と懐疑的な人を混ぜ、うまくいっている点といない点を定期的に話し合います。[10]
- アンケート:委員会に入れない人からも集められます。匿名にすると、率直な答えが得やすくなります。[10]
アンケートの後は、結果の要約と次に行うことを利用者に公開します。試行に加わったチームにも、時々話を聞きます。[11][3]
Salesforce は年に 3 回、新機能を出します。リリースノートから自社で使える機能を選び、加えたときは、何か、何に役立つか、どう使うかを添えて知らせます。業務が変われば使い方も変わるため、委員会とアンケートを定期的に続け、測る、聞く、直す、知らせるを回します。[3][10]
質問と答え
どの数字から測り始めればよいですか。
まずログイン率、レコードの作成、レコードの更新を見ます。標準の管理レポートでログインの状況を追い、少なくとも月に 1 回、ダッシュボードで推移を確かめます。[4][7]
経営層には何を頼めばよいですか。
まず自分で Salesforce を使い、会議でもレポートやダッシュボードを開いてもらうことです。月のログイン日数を求める、開始の案内に登場するといった後押しも挙げられています。[1][2][10]
アプリケーション内ガイダンスのウォークスルーは、どれくらいの長さにすればよいですか。
最大 10 個のプロンプトをつなげますが、公式は 5 ステップまでを勧めています。長くなるときは、短い 2 つに分けることを検討します。[9]
出典
- Salesforce Adoption Strategies: Prepare to Build Your Salesforce Journey(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/salesforce-adoption-strategies/prepare-to-build-your-salesforce-journey(2026-10-24 確認)
- Salesforce Adoption Strategies: Deploy Your Salesforce Technology(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/salesforce-adoption-strategies/deploy-your-salesforce-technology(2026-10-24 確認)
- Salesforce Adoption Strategies: Drive Long-Term Adoption(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/salesforce-adoption-strategies/drive-longterm-adoption(2026-10-24 確認)
- User Adoption Metrics: Measure Salesforce Usage(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/user-adoption-metrics/measure-salesforce-usage(2026-10-24 確認)
- User Training and Enablement: Communicate Your Training Goals(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/user-training-and-motivation/create-your-training-strategy-and-communication-plan(2026-10-24 確認)
- User Engagement: Create Prompts in Agentforce 360 Platform(Trailhead)trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/user-engagement/create-in-app-prompts(2026-10-24 確認)
- 管理レポート(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sf.reports_administrative.htm(2026-10-24 確認)
- ログイン履歴の監視(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.users_login_history.htm(2026-10-24 確認)
- アプリケーション内ガイダンスの種別(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sf.customhelp_iag_types.htm(2026-10-24 確認)
- 6 Guiding Principles to Maximize Your Salesforce Adoption(Salesforce Admins)admin.salesforce.com/blog/2021/6-guiding-principles-to-maximize-your-salesforce-adoption(2026-10-24 確認)
- Getting Your Salesforce Users to Embrace the Change(Salesforce Admins)admin.salesforce.com/blog/2018/getting-users-embrace-change(2026-10-24 確認)