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開発例 No.25

Salesforceで入力漏れのレコードを一覧にする点検レポート

入っているはずの値が空のままのレコードは、画面を 1 件ずつ開いても見つけにくいものです。このページでは、Salesforce のレポートで入力の抜けや項目どうしの矛盾を一覧にする、点検用レポートの作り方をまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 大事な項目が、どのレコードで空のままなのか分からない。[6][8]
  • 取引先責任者が 1 人も登録されていない取引先を探したい。[4]
  • 日付と状況の組み合わせが合わないなど、項目どうしが食い違うレコードを見つけたい。[3]
  • 点検のたびにレポートを開いて、手で確かめている。[9]
この開発でつくる仕組み(イメージ)
  1. 点検する条件空では困る項目を書き出す
  2. 点検用レポートレポートタイプを選んで作成
  3. 判定の列行レベルの数式とISBLANK
  4. 条件で絞るクロス条件と検索条件ロジック
  5. 定期的に届くレポート登録でメール

本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。

なぜ起きるのか

カスタム項目を必須にしても、必須にする前からあるレコードは空のまま残ることがあります。そのレコードは、次に更新するときに値の入力を求められます。[10]

必須項目の設定にも限りがあります。この設定で必須にできるのはカスタム項目です。また、簡易作成では必須項目が強制されません。[10]

入力規則が働くのは、レコードを作るときと更新するときです。規則を後から作っても、その後に更新されていないレコードは確かめられないままです。[11]

このため、すでにあるデータの抜けは、レポートなどで別に洗い出す必要があります。[10][11]

直し方の選択肢

見つけたい抜けの種類によって、レポートの機能を使い分けます。[2][4][6]

  • 方法 1行レベルの数式で行ごとに判定するISBLANK 関数は、値がないときに TRUE を返します。関数は特に指定がない限り数式を書ける場所で使えるため、各行に「未入力かどうか」の列を足せます[6][8][12]
  • 方法 2クロス条件の「関連しない」で探す関連するレコードを持たない親を一覧にできます。たとえば、取引先責任者がない取引先です[4]
  • 方法 3検索条件と検索条件ロジックを組み合わせる「次の文字列と一致しない」と「<空白>」を組み合わせると、空の項目がある行を除けます。番号の付いた条件を AND・OR・NOT でつなぎ、食い違う組み合わせを表せます[2][3]
  • 方法 4これから入る分は入力時に止める項目を必須にするか、入力規則で保存前に確かめる方法があります。レポートでの点検と併せて検討します[10][11]

作業の流れ

  1. 点検する項目と条件を決める:オブジェクトごとに、空では困る項目と、あり得ない組み合わせを書き出します[3][6]
  2. レポートを作る:[レポート] タブで [新規レポート] をクリックし、レポートタイプを選んで [レポートを開始] をクリックします[1]
  3. 判定の列を足す:[アウトライン] ペインの [列] セクションで [行レベルの数式を追加] をクリックし、数式を書いて [検証] で確かめてから [適用] をクリックします[6]
  4. 条件を加える:検索条件を追加し、必要に応じて検索条件ロジックやクロス条件を設定します[3][4]
  5. 保存して実行する:見る人の範囲を考えてフォルダーに保存し、[実行] で結果を確かめます[1]
  6. 定期的に届くようにする:レポートを登録してスケジュールを決めます。条件を付けると、すべての条件に合うときだけメールが送られます[9]

気をつけること

  • 行レベルの数式は 1 つのレポートに 2 つまでです。1 つの数式で参照できる項目は、重複を除いて 5 件までです[7]
  • 行レベルの数式は、メール・電話・複数選択リストなどのデータ型を扱えません。選択リストを ISBLANK で調べるときは、TEXT 関数でテキストに変えます[7][8]
  • 「取引先責任者が存在する/しない取引先」のような「存在する/しない」カスタムレポートタイプでは、行レベルの数式を使えません。Salesforce Classic でも使えません[7]
  • ISBLANK では、スペースだけが入った項目は空とみなされません[8]
  • 2026年10月時点で、クロス条件を使えるのは Enterprise・Performance・Unlimited・Developer の各 Edition です。1 つのレポートに 3 個まで、それぞれのサブ条件は 5 個までで、検索条件ロジックは働きません。追加すると実行に時間がかかることがあるため、ほかの条件で返すデータを絞ります[5]
  • レポート登録のメールは、[レポートの実行者] に選んだユーザーから見えるデータで届きます。受信者がふだん見られる範囲と違う場合があります[9]

想定工数の目安

入力の抜けを見つけるレポート2〜4時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

点検用の項目をオブジェクトに新しく作る必要はありますか?

行レベルの数式を使えば、オブジェクトに項目を足さずに、レポートの中だけで判定の列を作れます。ただし、1 つのレポートで使える数は 2 つまでです。[6][7]

取引先責任者が 1 人もいない取引先は、どう探しますか?

取引先のレポートにクロス条件を足し、[演算子] で [関連しない]、[セカンダリオブジェクト] で [取引先責任者] を選びます。関連する取引先責任者がない取引先だけが結果に残ります。[4]

抜けが見つかったときだけ知らせることはできますか?

レポートの登録には条件を 5 個まで付けられます。スケジュールどおりに実行したとき、すべての条件に合う場合だけメールが送られます。[9]

必須項目にすれば、点検レポートはいらなくなりますか?

必須にする前からあるレコードは、空のまま残ることがあります。また、簡易作成では必須項目が強制されません。設定を変えた後も、既存データの点検には意味があります。[10]

出典

  1. Lightning Experience でのレポートの作成help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_build_lex.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  2. 検索条件の演算子リファレンスhelp.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.filter_operators.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  3. レポートへの検索条件ロジックの追加help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.filter_logic.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  4. 例: クロス条件での「関連しない」の使用help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_cross_filters_without.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. クロス条件の考慮事項と制限help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_cross_filters_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. 行レベルの数式の記述help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_formulas_row_level_add.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. 行レベルの数式を最大限に活用: ヒント、制限、および制約help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_formulas_row_level_limits.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. ISBLANKhelp.salesforce.com/s/articleView?id=platform.customize_functions_isblank.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  9. Lightning Experience でのレポートへの登録help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.reports_subscribe_lex.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. 必須項目の考慮事項help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.fields_universally_required_field_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  11. 入力規則help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.fields_about_field_validation.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  12. コンテキストごとの数式の演算子と関数help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.customize_functions.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)

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