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開発例 No.43

Salesforceの会員サイトで、問い合わせをケースで受け付ける

問い合わせがメールや電話に分かれて届くと、受け付けた内容や進み具合を追いにくくなります。Salesforce の Experience Cloud を使うと、ログインした会員が自分でケースを登録し、その状況を確かめられるサイトを作れます。このページでは、仕組みと設定の流れ、気をつける点をまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 問い合わせの窓口がメールと電話に分かれ、受け付けた内容を一か所で追えない。[12][1]
  • 会員が、自分の問い合わせの進み具合を確かめる場所がない。[2][10]
  • 会員ごとに、見せてよい問い合わせの範囲をどう分ければよいか分からない。[7][8]
  • 社外の人が使う画面を作りたいが、どのライセンスや設定が要るのか見当がつかない。[5][4]
この開発でつくる仕組み(イメージ)
  1. 会員がログイン外部向けライセンスで利用
  2. ケースデフレクション登録前に答えの候補を表示
  3. ケースの登録サイトのフォームから送る
  4. ケースに記録メールからも自動でケース化
  5. コメントでやりとり会員と担当者が状況を共有

本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。

なぜ起きるのか

問い合わせが届く経路ごとに記録の場所が違うと、同じ件の経緯が一つにまとまりません。Salesforce では、問い合わせをケースとして記録します。メール-to-ケースを設定すると、サポート用のアドレスに届いたメールから自動でケースが作られます。[12]

社外の人に Salesforce のデータを見せるには、社内向けの画面とは別に Experience Cloud サイトを用意します。顧客やパートナーと情報を共有するための、ブランドに合わせたサイトを作る機能です。[1]

会員がログインするには、取引先責任者をもとに外部ユーザーを作り、外部向けのライセンスを割り当てます。ログインしないゲストユーザーは外部ライセンスを使いませんが、できることは限られます。[6][5]

外部ユーザーが見られるケースは、外部組織の共有設定や共有セットで決まります。サイトを作る前に、どの会員にどのケースを見せるかを決めておく必要があります。[7][8]

直し方の選択肢

会員向けのケースの窓口は、サイトのテンプレートと、ケース用のコンポーネントを組み合わせて作ります。主な部品は次のとおりです。[2][3]

  • 方法 1カスタマーサービステンプレートナレッジ記事の検索、質問の投稿、ケースの作成を備えたテンプレートです。ログインした会員は、プロファイルメニューから自分のケースのリストを開けます。[2]
  • 方法 2【カスタマーサポートへの連絡】フォームサイトからケースを登録するコンポーネントです。ケースオブジェクトの [レコードを作成] 種別のグローバルアクションを指定します。ファイルは最大 10 個まで添付できます。[9]
  • 方法 3ケースデフレクションフォームに入力中の文章をもとに、関連する記事やディスカッションを示すコンポーネントです。会員がケースを登録する前に、答えの候補を見せられます。[15]
  • 方法 4ケースコメントパブリッシャー会員と担当者がケースのコメントでやりとりするコンポーネントです。会員はコメントの投稿、ファイルの添付、ケースの状況の確認ができます。[10]
  • 方法 5メール-to-ケースサイトと並べて、メールで届く問い合わせもケースにする設定です。[12]

作業の流れ

  1. [設定] の [デジタルエクスペリエンス] | [設定] で、デジタルエクスペリエンスを有効にします。一度有効にすると、無効にはできません。[4]
  2. [設定] の [すべてのサイト] で [新規] をクリックし、テンプレートを選んでサイトを作ります。サイトは [プレビュー] の状態で作られます。[3]
  3. [共有設定] で、ケースの [デフォルトの外部アクセス] を確かめます。あわせて [デジタルエクスペリエンス] | [設定] の [共有セット] で、会員の取引先や取引先責任者に関連するケースへのアクセス権を与えます。[8][7]
  4. エクスペリエンスビルダーで、ケースを登録するフォームやケースの詳細ページを整えます。サイトケースフィードを使う場合は、[サポート設定] で [サイトケースフィードを有効化] を選びます。[9][11]
  5. 取引先責任者の詳細ページで [カスタマーユーザーを有効化] を選び、ライセンスとプロファイルを割り当てます。エクスペリエンスワークスペースの [管理] | [メンバー] で、そのプロファイルか権限セットをサイトに加えます。[6][13]
  6. サイトを有効化して公開します。Aura と LWR のサイトでは、有効化するとメンバー全員にお知らせメールが送られます。[14]

気をつけること

  • 2026年10月時点のヘルプでは、Summer '26 以降の新しい組織で Chatter が既定で無効です。カスタマーサービステンプレートとサイトケースフィードは Chatter を使うため、先に Chatter を有効にします。[2][11]
  • 取引先責任者のデフォルトの外部アクセス権が [非公開] でないと、外部ユーザーの取引先責任者は、同じ取引先の他の外部ユーザーにも見えます。[4][8]
  • 【カスタマーサポートへの連絡】フォームでは、取引先責任者名や取引先名などの参照関係の項目を、ゲストユーザーは使えません。[9]
  • ケースコメントパブリッシャーでファイルを添付するには、ケースの編集アクセス権が要ります。添付できるファイルは、既定で 5 MB 以下です。[10]
  • [ケース投稿のメール通知を有効化] を選ぶと、ケースに外部から見える投稿があったとき、会員でもあるケースの取引先責任者にメールが届きます。ワークフローなどで別の通知を送っている場合は、通知が重なることがあります。[11]
  • サイトを作ると、作成した人のプロファイルがサイトにアクセスできる一覧に加わり、そのプロファイルの全員がログインできます。ヘルプでは、サイトユーザー専用のプロファイルを作る手順が示されています。[3]

想定工数の目安

会員サイトで、問い合わせを受け付ける16〜40時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

ログインしない人からも、サイトで問い合わせを受け付けられますか。

受け付けられます。Web-to-ケースを有効にし、ゲストユーザー用のケースのアクションを設定すると、ログインせずにケースを作れます。ただし、ゲストユーザーはケースの作成時にファイルを添付できず、参照関係の項目も使えません。[16][9]

会員ごとにライセンスは要りますか。

ログインする会員には、外部向けのライセンスを割り当てます。ケースやナレッジを使う外部ユーザー向けには Customer Community があり、メンバーベースとログインベースの種類があります。ゲストユーザーは外部ライセンスを使いません。[5]

同じ会社の会員どうしで、ケースを見せ合えますか。

共有セットを使うと、会員の取引先に関連するケースへのアクセス権を与えられます。取引先責任者に合わせて範囲を決めることもできます。共有セットは、1 つのプロファイルに 1 つだけです。[7]

メールで届く問い合わせも、同じケースとして扱えますか。

メール-to-ケースを設定すると、サポート用のアドレスに届いたメールから自動でケースが作られます。サイトから登録されたものと同じく、ケースとして管理できます。[12]

出典

  1. Experience Cloud(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.networks_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  2. カスタマーサービステンプレート(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.rss_napili_views.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  3. Experience Cloud サイトの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.networks_creating.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  4. デジタルエクスペリエンスの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.networks_enable.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. Experience Cloud ユーザーライセンス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.users_license_types_communities.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. Experience Cloud サイトユーザーの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.networks_create_external_users.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. Experience Cloud サイトユーザー用の共有セットの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.networks_setting_light_users.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. 外部組織の共有設定の設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.security_owd_external_setting.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  9. 【カスタマーサポートへの連絡】フォーム(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.rss_contact_support_form.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. ケースコメントパブリッシャー(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.rss_case_publisher.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  11. サイトケースフィードの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.ccf_set_up_community_case_feed.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  12. メール-to-ケースを使用したメールの送受信(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.customizesupport_email.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  13. Experience Cloud サイトへのメンバーの追加(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.networks_customize_members.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  14. サイトの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.networks_publish.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  15. ケースデフレクション(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.rss_case_deflection.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  16. カスタマーサポートおよび質問ボタン(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=experience.rss_contact_support.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)

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