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開発例 No.34

SalesforceのログインIP・時間帯制限と多要素認証の見直し

Salesforce に、誰が、どこから、いつログインできるのか。設定が組織全体とプロファイルに分かれていて、全体を説明できないことがあります。このページでは、ログインできる IP アドレスや時間帯の制限、多要素認証(MFA)、シングルサインオン(SSO)を、公式ヘルプに沿って見直す進め方をまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 社外や自宅から、誰がログインできるのか把握できていない。[1][7]
  • 信頼済み IP 範囲を設定したのに、範囲外からもログインできている。[2]
  • 夜間や休日にログインする必要のない人も、いつでもログインできる。[3]
  • 多要素認証の要件に、自社のログインの仕方が合っているか分からない。[4]
  • シングルサインオンを入れたのに、ユーザー名とパスワードでのログインも残っている。[6]

なぜ起きるのか

ログインの制御は、組織全体の設定とプロファイルごとの設定に分かれています。両方を並べて見ないと、全体像がつかめません。[1][2]

[ネットワークアクセス] の信頼済み IP 範囲は、ログインを止める設定ではありません。範囲外のユーザーも、モバイルデバイスやメールに届くコードで本人確認をすればログインできます。[2]

IP アドレスでログインそのものを止めるのは、プロファイルの [ログイン IP アドレスの制限] です。範囲が 1 つでもあると、それ以外の IP アドレスからのログインは拒否されます。範囲がなければ、どの IP アドレスからでもログインできます。[1]

シングルサインオンを設定しても、初期状態では Salesforce のユーザー名とパスワードでもログインできます。SSO だけにするには、別の設定が要ります。[6]

直し方の選択肢

目的に合わせて、次の設定を組み合わせます。設定できる場所や機能は、エディションによって異なります。[1][3]

  • プロファイルの IP 制限:[設定] の [プロファイル] で対象のプロファイルを開き、[ログイン IP アドレスの制限] に許可する範囲を追加します。[1]
  • 信頼済み IP 範囲:[設定] の [ネットワークアクセス] で、本人確認なしでログインできる IP アドレスの範囲を決めます。[2]
  • ログイン時間帯:プロファイルの [ログイン時間帯の制限] で、ログインできる曜日と時間帯を決めます。[3]
  • 多要素認証:[設定] の [ID 検証] で [Salesforce 組織へのすべての直接 UI ログインに多要素認証 (MFA) が必要] を選ぶと、直接ログインする内部ユーザーに MFA を求めます。[5]
  • シングルサインオン:1 回のログインで複数のアプリケーションを使えるようにする認証方法です。[私のドメイン] で login.salesforce.com からのログインを止め、「シングルサインオンの有効化」権限を割り当てたユーザーに SSO でのログインを求めます。[6][9]

作業の流れ

  • [設定] の [ログイン履歴] で、誰が、いつ、どこからログインしているかを確かめます。画面には過去 6 か月間、最大 20,000 件が表示され、それより多いときはファイルにダウンロードします。[7]
  • プロファイルごとの [ログイン IP アドレスの制限] と [ログイン時間帯の制限]、[ネットワークアクセス] の信頼済み IP 範囲を一覧にします。[1][2][3]
  • 許可する IP アドレスの範囲を決め、プロファイルに追加します。1 つの IP アドレスだけを許可するときは、開始と終了に同じアドレスを入れます。[1]
  • ログイン時間帯を設定します。特定の曜日にログインさせないときは、開始と終了をどちらも [12 AM] にします。[3]
  • [ID 検証] で直接ログインの MFA を有効にします。SSO を使う場合は、SSO プロバイダーの MFA と Salesforce の MFA のどちらで要件を満たすかを決めます。[4][5]
  • 設定の後、[ログイン履歴] で、想定どおりのログインになっているかを確かめます。[7]

気をつけること

  • システム管理者のプロファイルに IP 制限をかけると、自分がログインできなくなることがあります。その場合は、別のシステム管理者が範囲を直します。ほかにシステム管理者がいないときは、Salesforce サポートへのケース作成が案内されています。[8]
  • [セッション設定] で [Enforce login IP ranges on every request (すべての要求でログイン IP アドレスの制限を適用)] を選ぶと、ログイン時だけでなく、ページ要求のたびに IP 制限がかかります。[1]
  • 2026年10月時点のヘルプでは、Winter '26 以降、IP 範囲に含められるアドレス数に上限があります(IPv4 は 16,777,216 個)。上限を超える範囲は追加できません。[1][2]
  • IPv6 の範囲は、IPv4 の範囲が 1 つ以上あるプロファイルにだけ追加するよう案内されています。[1]
  • ログイン時間帯は、最初に設定したときの組織のデフォルトのタイムゾーンで決まります。あとで組織のタイムゾーンを変えても、時間帯は変わりません。[3]
  • SSO が止まったときに対処できるよう、システム管理者には SSO を求めないことが勧められています。[6]

想定工数の目安

ログインの守りを固める4〜12時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

信頼済み IP 範囲を設定すれば、社外からのログインは止まりますか。

止まりません。範囲外のユーザーも、本人確認を済ませればログインできます。IP アドレスでログインを止めたいときは、プロファイルの [ログイン IP アドレスの制限] を使います。[2][1]

多要素認証は必須ですか。

2026年10月時点のヘルプでは、本番組織と Sandbox で Salesforce の画面にログインする内部ユーザーに MFA が必要とされ、2026年夏から適用すると案内されています。直接ログインと SSO の両方が対象です。システム管理者など特権を持つユーザーには、パスキーなどフィッシングに強い方法が求められます。[4][10]

SSO を使っていれば、Salesforce 側の MFA は要りませんか。

SSO プロバイダーが決められた認証信号を Salesforce に送っていれば、プロバイダーの MFA で要件を満たせます。Salesforce が提供する MFA を使うこともできます。[4]

ログイン時間帯が終わると、作業中のユーザーはどうなりますか。

今のページは表示されたままですが、ほかの操作はできなくなります。[3]

出典

  1. プロファイルでのログイン IP アドレスの制限(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.login_ip_ranges.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  2. 組織の信頼済み IP 範囲の設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.security_networkaccess.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  3. プロファイルでのログイン時間帯の制限の表示と編集(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.login_hours.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  4. MFA 要件の理解(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.mfa_understand_requirements.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. 直接ログインの MFA の有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.security_mfa_org_wide_setting.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. シングルサインオン (SSO) を使用したログインをユーザーに要求(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.sso_enforce_sso_login.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. ログイン履歴の監視(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.users_login_history.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. Unable to Log In to Salesforce Due to "Restricted IP" Error(ナレッジ記事 005389372)help.salesforce.com/s/articleView?id=005389372&language=ja&type=1(2026-10-23 確認)
  9. シングルサインオン(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.sso_about.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. 特権ユーザーのフィッシング詐欺耐性 MFA 要件(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=xcloud.mfa_phishing_resistant.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)

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