Salesforceに名刺のデータを重複させずに取り込む進め方
名刺管理の仕組みと Salesforce の両方に、同じ人を手で登録していませんか。このページでは、名刺のデータを取引先と取引先責任者へ取り込むときに、重複を避けるための Salesforce の仕組みと進め方を、公式ドキュメントに沿ってまとめます。
このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。
この内容で相談するこんなことで困っていませんか
なぜ起きるのか
取り込むときに、どのレコードと同じとみなすかを決めないと、新しいレコードが作られます。データインポートウィザードで一致の種別に [なし] を選ぶと、ファイルの行ごとにレコードが作られます。[2]
名前やメールでの照合は、表記の違いに左右されます。名前による一致は大文字と小文字を区別します。メールによる一致は、[メール] 項目の値が正確に同じものだけを対象にします。[2]
重複ルールは、画面での入力と取り込みで動きが変わります。公式の考慮事項では、データインポートツールや Salesforce API で追加したレコードには、アラートは表示されず、保存できない状況があるとされています。[3]
同時に保存した複数のレコードどうしは、ブロックやアラートの判定で比較されません。比べる相手は、すでに Salesforce にあるレコードだけです。[3]
あいまい一致メソッドを使う一致ルールは、ラテン文字だけに対応しています。日本語のような国際データでは、完全一致メソッドを使うよう案内されています。[7]
直し方の選択肢
取り込みの道具と、重複の見分け方を組み合わせて考えます。[10][8]
- データインポートウィザードで一致の条件を決める: 取引先責任者は Salesforce ID・名前・メール・外部 ID、取引先は Salesforce ID・外部 ID・名前とサイトで、既存のレコードと照らし合わせます。扱えるのは一度に 5 万件までです。[1][10]
- 外部 ID で照らし合わせる: 名刺管理側の一意の番号を、外部 ID 属性を持つカスタム項目に入れます。照合に使えるのは一意の外部 ID 項目だけです。型はテキスト・数値・メール・自動採番ですが、自動採番は照合に使えません。[1]
- データローダーの更新/挿入を使う: CSV の外部 ID か Salesforce ID の列で照合し、一致すれば更新、一致しなければ新規作成します。[11]
- API の upsert() で連携する: 外部 ID で作成か更新かを判別します。Salesforce は、不要な重複を作らないために、多くの場合 create() の代わりに upsert() を使うよう勧めています。[12]
- 重複ルールと一致ルールを整える: Summer '17 以降に作られた組織では、取引先責任者の標準重複ルールが、リードとの重複も照合します。作成時の動作は [許可] と [ブロック] から選べます。[5][6]
作業の流れ
- 取り込み先と照合の鍵を決める: 取引先責任者とリードのどちらに入れるかと、照合に使う項目(外部 ID・メールなど)を決めます。[1][2]
- 外部 ID 項目を用意する: 取引先と取引先責任者に、外部 ID 属性と一意の属性を持つカスタム項目を作ります。[1][12]
- 一致ルールと重複ルールを確かめる: [設定] の [クイック検索] で [一致ルール] と [重複ルール] を開き、条件と動作を確かめます。既存の一致ルールを編集するときは、先に無効にします。[15][8]
- ウィザードで取り込む: [設定] の [クイック検索] に「データインポートウィザード」と入れ、[ウィザードを起動する] をクリックします。追加か更新か、一致の条件を選び、項目を対応付けて [インポートを開始] をクリックします。[9]
- データローダーで取り込む場合: [Upsert (更新/挿入)] を選び、照合に使う項目を指定します。結果は、success と error で始まる 2 つの CSV ログで確かめます。[11]
- 結果と重複を見直す: [一括データ読み込みジョブ] で状況を確かめます。2026年10月時点では、Performance Edition と Unlimited Edition で、重複ジョブを使って組織全体の重複を探せます。[9][14]
気をつけること
- SOAP API で連携する場合、DuplicateRuleHeader の allowSave を true にすると、アラートの設定があっても重複レコードが保存されます。false にすると保存されません。どちらにするかを先に決めます。[13][3]
- レコードを更新するユーザーに、一致ルールが使う項目へのアクセス権がないと、重複ルールは期待どおりに動きません。連携に使うユーザーの権限を確かめます。[3]
- ファイル内に同じ外部 ID の行が複数あると、それらは取り込まれません。取り込む前に値をそろえます。[1]
- [既存の取引先の値を上書きする。] を選ばない限り、値が入っている取引先の項目は書き換わりません。このオプションでも、空白の値で既存の値を消すことはできません。[1]
- 1 つの一致ルールにあいまい一致と完全一致を混ぜると、重複は検出されません。日本語の項目を使うときは、一致の種類をそろえます。[7]
想定工数の目安
名刺のデータを、取引先と担当者に取り込む6〜16時間
想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。
質問と答え
名刺のデータは、リードと取引先責任者のどちらに入れられますか?
どちらにも取り込めます。データインポートウィザードは、取引先・取引先責任者・リードを扱えます。Summer '17 以降に作られた組織では、リードと取引先責任者の標準重複ルールが、互いのオブジェクトとの重複も照合します。[10][5][16]
表記が少し違う同じ人を、重複として見つけられますか?
標準の一致ルールは、名前にあいまい一致の方法も使います。ただし、あいまい一致メソッドはラテン文字だけに対応しています。日本語のデータでは、完全一致メソッドを使うよう案内されています。[4][7]
連携のたびに同じ人が二重に作られるのを避けるには?
外部 ID で照合する upsert を使う方法があります。外部 ID が 1 件だけ一致すれば更新、一致しなければ新規作成、複数一致するとエラーになります。[12]
取り込み済みの重複は、後からまとめて探せますか?
2026年10月時点では、Performance Edition と Unlimited Edition で重複ジョブを使い、取引先・取引先責任者・リードなどの重複を組織全体から探せます。実行には「アプリケーションのカスタマイズ」と「すべてのデータの参照」の権限が要ります。[14]
出典
- 法人取引先と取引先責任者にインポートされる情報は?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.for_accounts_and_contacts.htm(2026-10-23 確認)
- リードにインポートされる情報は?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.for_leads.htm(2026-10-23 確認)
- 重複ルールに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_overview.htm(2026-10-23 確認)
- 標準取引先責任者マッチングルールと標準リードマッチングルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_standard_contact_rule.htm(2026-10-23 確認)
- 取引先責任者の標準重複ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_standard_contact_rule.htm(2026-10-23 確認)
- ユーザーによる重複レコードの作成を防止(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_prevention.htm(2026-10-23 確認)
- 一致ルールをカスタマイズする前に知っておくべきこと(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_considerations.htm(2026-10-23 確認)
- 重複ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_create.htm(2026-10-23 確認)
- データインポートウィザードを使用したデータのインポート(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.import_with_data_import_wizard.htm(2026-10-23 確認)
- データをインポートする方法の選択(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.import_which_data_import_tool.htm(2026-10-23 確認)
- データローダーを使用したデータの挿入、更新、または削除(データローダーガイド)developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.dataLoader.meta/dataLoader/inserting_updating_or_deleting_data.htm(2026-10-23 確認)
- upsert()(SOAP API 開発者ガイド)developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.api.meta/api/sforce_api_calls_upsert.htm(2026-10-23 確認)
- DuplicateRuleHeader(SOAP API 開発者ガイド)developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.api.meta/api/sforce_api_header_duplicateruleheader.htm(2026-10-23 確認)
- Lightning Experience で重複ジョブを使用して、組織全体の重複を検索する(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_jobs.htm(2026-10-23 確認)
- 一致ルールのカスタマイズ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.matching_rules_create.htm(2026-10-23 確認)
- リードの標準重複ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.duplicate_rules_standard_lead_rule.htm(2026-10-23 確認)