できることコラム 無料トライアルを相談する
開発例 No.48

Salesforceで返信メールの下書きをAIで作る設定と進め方

問い合わせや商談の相手に、似た内容のメールを毎回一から書いていることがあります。Salesforce には、レコードの項目をもとにメールの下書きを作る生成 AI の機能があります。このページでは、お客様の Salesforce 組織で使える機能の違いと、設定から運用までの進め方をまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

この内容で相談する

こんなことで困っていませんか

  • 似た内容のメールを、担当者が毎回一から書いている。[4][11]
  • メールテンプレートはあるが、相手ごとの事情を毎回手で書き足している。[4][11]
  • 取引先責任者やリードの画面を見ながら、名前や会社名を書き写している。[1]
  • AI で下書きを作りたいが、どの機能を使えばよいか分からない。顧客のデータを AI に渡す扱いも気になる。[6][12]
この開発でつくる仕組み(イメージ)
  1. レコードの項目取引先責任者やリードの情報
  2. プロンプトテンプレート自社向けの指示を書く
  3. Einstein Trust Layer権限に沿い機密をマスク
  4. 生成AIの下書き項目を差し込み文章を作る
  5. 人が読み直す確かめてから送信

本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。

なぜ起きるのか

メールテンプレートは、送るメールの形をそろえる仕組みです。差し込み項目で宛先の名前などは入りますが、本文の中身は固定です。[11][4]

Salesforce の生成 AI は、レコードの項目をプロンプトに差し込んで文章を作ります。この方法はグラウンディングと呼ばれ、実行するたびに相手に合わせた下書きが作られます。[1][4]

ただし、機能ごとに対象が分かれています。2026年10月時点のヘルプでは、セールスメールは新しいメールの下書きが対象で、メールへの返信と転送は対象外とされています。[2]

使える機能は、場面と組織のライセンスでも変わります。誰が、どの場面で、どのデータをもとに書くかを先に決めないと、機能を選びにくくなります。[6][13]

直し方の選択肢

目的と、組織で使えるエディションやアドオンに合わせて選びます。AI を使わない方法も比べておきます。[11][6]

  • 方法 1メールテンプレート[メールテンプレート] ページの [新規メールテンプレート] から作り、差し込み項目で宛先の情報を入れます。作ったテンプレートは非公開になりますが、組織の他のユーザーと共有もできます。[11]
  • 方法 2セールスメールメールコンポーザーで [Einstein を使用してドラフトを作成] をクリックすると、取引先責任者やリードの情報をもとに下書きが作られます。2026年10月時点では Einstein for Sales アドオンが必要です。[4][1]
  • 方法 3セールスメールのプロンプトテンプレートプロンプトビルダーで自社向けの指示を書くと、その名前がメールコンポーザーで選べるメール種別に加わります。[5]
  • 方法 4項目生成のプロンプトテンプレートレコードの項目に、AI が作った文章の下書きを入れる仕組みです。利用者はボタンから実行し、[使用] で項目に入れてから見直します。[6][8]
  • 方法 5メールのサービス返信サービス担当者向けに、メールの返信案を作る機能です。2026年10月時点のリリースノートでは、ナレッジをもとに返信案を作り、根拠の記事へのリンクを付ける動きが追加されています。[13]

作業の流れ

  1. 誰が、どの場面で、どのオブジェクトのデータをもとに下書きを作るかを決めます。あわせて、組織のエディションとアドオンで使える機能を確かめます。[6][1]
  2. セールスメールを使う場合は、[設定] の [クイック検索] で [Einstein for Sales] を開き、セールスメールを有効にします。続けて「Einstein セールスメール」権限セットを営業担当に割り当てます。[3]
  3. 独自の文面にしたい場合は、[設定] から [プロンプトビルダー] を開き、[新規プロンプトテンプレート] で種別を選びます。作る人には「プロンプトテンプレートマネージャー」権限セットを割り当てます。[5][10]
  4. プロンプトに差し込み項目と指示を書き、[保存 & プレビュー] で実際のレコードを選んで出力を確かめます。納得できたら [有効化] をクリックし、利用者が使える状態にします。[5][9]
  5. 利用者には「プロンプトテンプレートユーザー」権限セットを割り当てます。項目生成を使う場合は、動的フォームを有効にしたレコードページにテンプレートを追加します。[10][7]

気をつけること

  • 生成された下書きは、送る前に人が読み直します。公式ヘルプでも、外部と共有する前に出力の正確さと安全性を確かめるよう案内されています。[1][4]
  • 項目レベルセキュリティが適用されます。利用者が見られない項目や空の項目は使われず、下書きにプレースホルダーが入ることがあります。[2]
  • 2026年10月時点のヘルプでは、セールスメールの生成は組織ごとに 1 時間あたり最大 2,000 件です。上限に達すると、下書きを作るボタンが使えなくなります。[2]
  • 有効化したプロンプトテンプレートのバージョンは変更できません。直すときは、新しいバージョンとして保存します。[9]
  • Einstein Trust Layer では、プロンプトを実行するユーザーの権限に沿ってデータを取得します。送信前に機密データをマスクする仕組みもあり、マスクする項目を選べます。[12]

想定工数の目安

返信メールの下書きを、AI で作る8〜20時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

受け取ったメールへの返信にも、セールスメールは使えますか。

2026年10月時点のヘルプでは、セールスメールは新しいメールの下書きが対象で、返信と転送は対象外です。サービス担当者の返信には、メールのサービス返信など、サービス向けの機能を確かめます。[2][13]

日本語の下書きは作れますか。

2026年10月時点のヘルプでは、生成応答の対応言語に日本語が含まれています。出力の言語は、指示を書いた言語ではなく、実行の仕組みで決まると説明されています。[2][4]

AI を使わずに、返信の文面をそろえる方法はありますか。

Lightning のメールテンプレートがあります。差し込み項目で宛先の情報を入れられ、作ったテンプレートを組織の他のユーザーと共有することもできます。[11]

作った下書きは、そのまま送られますか。

このページで扱う機能は、下書きを作るところまでです。セールスメールは担当者が内容を確かめてから送信します。項目生成は [使用] で項目に入れ、見直してからレコードを保存します。[4][8]

出典

  1. Einstein 生成 AI がセールスメールを生成するしくみ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.einstein_sales_emails_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  2. Einstein 生成 AI セールスメールに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.einstein_sales_emails_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  3. セールスメールの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.einstein_sales_emails_setup.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  4. Einstein 生成 AI を使用したセールスメールのドラフト作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.einstein_sales_emails_draft.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. セールスメールプロンプトテンプレートの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_create_sales_email_template.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. プロンプトテンプレート種別(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_standard_template_types.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. 項目生成プロンプトテンプレートの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_create_field_gen_prompt_template.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. 項目生成プロンプトテンプレートの動作(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_templates_in_action_field_gen.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  9. プロンプトテンプレートの有効化と無効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_activate_deactivate_templates.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. プロンプトビルダーの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_enable.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  11. Lightning Experience でのメールテンプレートの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.email_create_a_template.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  12. Einstein Trust Layer(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.generative_ai_trust_layer.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  13. Enterprise Knowledgeでのメールのサービス返信のグラウンディング(Salesforce リリースノート)help.salesforce.com/s/articleView?id=release-notes.rn_service_replies_email_ek_support.htm&language=ja&release=264.0.0&type=5(2026-10-23 確認)

環境に合わせた進め方は、相談フォームから一言でどうぞ。

この内容で相談する 開発例の一覧へ戻る
まずは20時間の無料トライアルから 無料トライアルを相談する
YOUR NEXT STEP

まずは、ひとつの
「こうしたい」から。

いただいた内容を確認し、ご入力のメールアドレスにご連絡します。

送信内容は、プライバシーポリシーに沿って取り扱います。