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開発例 No.50

SalesforceでAIを使う前に、重複と表記ゆれのデータを整える

Salesforce の組織で AI の機能を使い始める前に、もとになるデータの状態を確かめておきます。Trailhead では、AI プロジェクトの前にデータ品質の問題に対処しておくことが重要だと説明されています。このページでは、重複・空欄・表記ゆれの見つけ方と直し方、項目の見直し方を、Salesforce のヘルプと Trailhead に沿ってまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 同じ会社の取引先や同じ人の取引先責任者が、いくつも登録されている。[4][7]
  • 大事な項目が空欄のレコードがあり、どこから埋めればよいか決められない。[2]
  • 同じ意味の値が、書き方の違いで別の値として入っている。[2][3]
  • 項目が増えて、どれが使われているのか分からない。[13]
  • AI の機能を試したいが、どのデータを整えればよいか決まっていない。[1]
この開発でつくる仕組み(イメージ)
  1. 入ってくるデータ画面やAPIから入る値
  2. 重複ルール作成時に警告やブロック
  3. 入力規則と選択リスト空欄と表記ゆれを防ぐ
  4. 重複ジョブ既存の重複を探しマージ
  5. AIの土台整ったデータを使う

本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。

なぜ起きるのか

Trailhead では、データは AI が学習し、判断するための土台だと説明されています。不正確なデータ、形式が不適切なデータ、重複したデータ、不完全なデータを直したり除いたりする作業を、データクリーニングと呼んでいます。[1]

部署ごとに入力のしかたが違うと、重複や不完全なレコード、古いデータが残りやすくなります。Trailhead では、命名や日付の書式、品質の基準などを決めたデータ管理計画を作る進め方が紹介されています。[2][3]

重複ルールが動かない場面もあります。簡易作成で作ったレコードや、手動でマージしたレコードなどでは、重複ルールは実行されません。[6]

制限なしの選択リストでは、画面から新しい値は入力できません。一方で、API やオートメーションなどからは新しい値を追加できます。[11]

直し方の選択肢

  • 方法 1これから入る重複重複ルールと一致ルールで、重複するレコードを作るときに警告やブロックをします。法人取引先、個人取引先、取引先責任者、リードには標準の重複ルールがあります。[4][5]
  • 方法 2すでにある重複重複ジョブで組織全体を検索し、できた重複レコードセットの [比較およびマージ] で統合します。2026年10月時点のヘルプでは、重複ジョブは Performance Edition と Unlimited Edition で使えます。[7][8]
  • 方法 3空欄業務に要る項目を決め、必須項目や入力規則で保存時に確かめます。入力規則は、基準に合わないときにエラーを出して保存を止めます。[3][10]
  • 方法 4表記ゆれ自由入力の項目を選択リストにし、[値セットで定義された値に選択リストを制限します] を選びます。複数の項目で同じ値を使うときは、グローバル選択リスト値セットを使います。[3][11][12]
  • 方法 5項目の見直しカスタム項目の詳細ページで [使用場所] をクリックし、入力規則・レイアウト・レポートなどからの参照を確かめます。[13]

作業の流れ

  1. AI で何をしたいかを決め、必要なデータ、保存されている場所、更新の頻度を一覧にします。[1]
  2. 必要な項目ごとに空欄の割合を出すレポートを作ります。最終更新日や、日付・都道府県などの値のばらつきも確かめます。[2]
  3. 優先度が高く手間の少ないデータから直します。重複は重複ジョブや [潜在的な重複] コンポーネントで見つけ、マージします。[1][7][14]
  4. 重複ルール、入力規則、選択リストの制限を設定し、これから入るデータの形をそろえます。[5][10][11]
  5. 使われていない項目は [使用場所] で参照を確かめ、ページレイアウトから外すなどして整理します。[13][3]

気をつけること

  • Trailhead では、完璧なデータを目指して止まらず、プロジェクトに必要な優先度の高いデータから始めるよう案内されています。[1]
  • Lightning Experience で取引先をマージするときは、3 件まで選び、主レコードを 1 件決めます。法人取引先と個人取引先は、互いにマージできません。[9]
  • 一致ルールが参照する項目に、レコードを更新するユーザーがアクセスできないと、重複ルールは期待どおりに動きません。[6]
  • データインポートツールや API で追加したレコードについては、アラートが表示されず保存できない状況があると、ヘルプに書かれています。読み込みの前に重複ルールの設定を確かめます。[6]
  • カスタム選択リスト項目とグローバル値セットの関連付けは、元に戻せません。[12]

想定工数の目安

AI を入れる前に、データを整える8〜24時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

すべてのデータを整えてから AI を使うべきですか。

Trailhead では、完璧を目指すより、プロジェクトに必要な優先度の高いデータから進めるよう案内されています。今後の予約だけを対象にして、扱う件数を絞る例が紹介されています。[1]

[設定] に重複ジョブが見当たりません。

2026年10月時点のヘルプでは、重複ジョブを使えるのは Performance Edition と Unlimited Edition です。実行には「アプリケーションのカスタマイズ」と「すべてのデータの参照」の権限が要ります。ほかのエディションでは、重複ルールと [潜在的な重複] コンポーネントで重複を扱います。[7][4][14]

選択リストにしたのに、一覧にない値が入っています。

制限なしの選択リストでは、API やオートメーションから新しい値が入ることがあります。項目の設定で [値セットで定義された値に選択リストを制限します] を選ぶと、未承認の値は API から読み込めなくなります。[11]

使っていない項目は、そのまま削除してよいですか。

先に [使用場所] で、入力規則やレポート、フローなどから参照されていないか確かめます。結合レポートは一覧に出ないなど、表示されない参照もある点に気をつけます。[13]

出典

  1. データを準備する(Trailhead)trailhead.salesforce.com/ja/content/learn/modules/ai-data-project-planning/prepare-your-data-ai(2026-10-23 確認)
  2. データ品質の評価(Trailhead)trailhead.salesforce.com/ja/content/learn/modules/data_quality/data_quality_assess_your_data(2026-10-23 確認)
  3. データ品質の向上(Trailhead)trailhead.salesforce.com/ja/content/learn/modules/data_quality/data_quality_improve_quality(2026-10-23 確認)
  4. 重複レコードの管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.managing_duplicates_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. 重複ルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.duplicate_rules_map_of_reference.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. 重複ルールに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.duplicate_rules_overview.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. Lightning Experience での重複ジョブの実行(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.duplicate_jobs_run_and_manage.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. 重複レコードセットを使用した重複の管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.duplicate_management_duplicate_record_sets.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  9. Lightning Experience での重複する取引先のマージ(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.account_merge_lex.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. 入力規則(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.fields_about_field_validation.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  11. カスタム選択リスト項目の作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.fields_creating_picklists.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  12. 選択リストの制限(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.picklist_limitations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  13. 項目の使用場所の検索(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.fields_references.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  14. Lightning Experience での重複レコードの表示(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=sales.duplicates_existing_setup.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)

環境に合わせた進め方は、相談フォームから一言でどうぞ。

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