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開発例 No.47

SalesforceのEinsteinケース分類で問い合わせを分類する

問い合わせの種類を選ぶ項目が、担当者ごとにばらばらになっていませんか。Salesforce には、過去のケースから学び、新しいケースの項目の値を予測する Einstein ケース分類があります。このページでは、データの準備から有効化、自動化の段階の決め方までを、公式ヘルプに沿ってまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 同じような問い合わせなのに、担当者によってケースの項目に選ぶ値が違う。[3]
  • 「その他」や「一般」のような値ばかり選ばれ、集計しても傾向が読めない。[3]
  • 選択リストの値が多く、どれを選べばよいか担当者が迷っている。[3][5]
  • ケースを開くたびに本文を読み、分類の項目を一つずつ手で埋めている。[1]

なぜ起きるのか

分類の基準が担当者の判断に任されていると、同じ内容でも選ぶ値が揺れます。公式ヘルプでも、選択リストの値が似すぎていたり汎用的すぎたりすると、担当者も Einstein も正しい値を決めにくいと説明されています。[3]

選択リストの値が 100 個を超えると、選ぶのに時間と知識が要り、誤った選択や一貫しない選択が起きやすくなるとされています。[3]

AI で分類する場合も、手本になるのは過去のクローズケースです。Einstein はクローズケースが正しく入力されている前提で学ぶため、過去の値が揺れていると、その揺れも学習に入ります。[2][3]

直し方の選択肢

AI で種類を判定する方法は、大きく 2 つあります。どちらを選ぶ場合も、先に選択リストの値を見直し、重複した値や広すぎる値を整理しておくと、公式ヘルプのデータ準備の説明に沿った進め方になります。[3][1][14]

  • Einstein ケース分類:過去のクローズケースの件名や説明から学び、新しいケースのチェックボックス・選択リスト・参照項目の値を予測します。[Einstein を試す] 版はアプリケーションごとにモデル 1 つで、値の推奨までです。Einstein for Service アドオンライセンスでは、モデルを 5 つまで作れ、項目の自動更新とケースルーティングも使えます。[1][2][3]
  • 自動化の段階:Einstein ケース分類では、項目ごとに [上位の値を推奨]・[最適な値を選択]・[値を自動化] の 3 段階から選びます。信頼性しきい値を 0〜100% で決め、しきい値に届かない予測は一段低い動きに下がります。[6]
  • プロンプトビルダーとフロー:プロンプトテンプレートに判定の指示を書き、Flow Builder の [アクション] 要素から [プロンプトテンプレート] カテゴリを選んで呼び出します。返ってくるのはプロンプト応答なので、項目に入れる処理はフローの中で組みます。[14][15]
  • プロンプトビルダーの利用条件:2026年10月時点のヘルプでは、Enterprise・Performance・Unlimited Edition に、Einstein for Platform などのアドオンが付いている組織が対象です。フローを動かすユーザーには「プロンプトテンプレートユーザー」権限が要ります。[16][14]

作業の流れ

  • 過去のクローズケースを確かめます。過去 6 か月に作成され文字列の項目が入ったものが 400 件以上必要で、10,000 件以上が理想とされています。予測する項目にも、値が入ったケースが 400 件以上と、2 種類以上の値が要ります。[3][5]
  • [設定] の [クイック検索] に「Einstein 分類」と入力して [Einstein 分類] を開き、切り替えボタンで有効にします。有効化には数分かかることがあります。[7]
  • [新しいモデル] でモデルを作り、学習に使う入力項目(最大 30 個、文字列型を 1 つ以上)と予測する項目を選びます。必要なら区分やサンプルケースの条件で、学習元のケースを絞ります。[4][2]
  • モデルを作成します。ケースの量と項目の数によっては数時間かかります。できあがったら、項目ごとの予測の設定を決めます。[8][6]
  • 担当者に「Einstein ケース分類ユーザー」権限セットを割り当てます。Lightning アプリケーションビルダーでケースレコードページを開き、[Einstein 項目のおすすめ] コンポーネントを置きます。[9][10]
  • モデルを有効化します。初めは上位 3 つの推奨から始め、影響を見てから [最適な値を選択] や [値を自動化] に進める流れが案内されています。[11][6]

気をつけること

  • Sandbox でも試せますが、Einstein の設定は Sandbox と本番の間でコピーできません。公式ヘルプは、本番で有効にして少人数の担当者から始める方法を勧めています。[3]
  • モデルは最初の作成日から 30 日ごとに再トレーニングされます。分類アプリケーションを無効にすると、次に有効にするときにモデルを作り直す必要があります。[8][7]
  • 予測が出るのはオープンケースだけです。作成と同時にクローズしたケースや、入力項目が空のケースには、おすすめが表示されません。[11]
  • 複数選択の選択リストは予測に使えず、数式項目は区分や学習の条件に使えません。予測する項目は、コンソールのケースページレイアウトに置いておく必要があります。[5]
  • フローからケース分類を使う場合は、[値を自動化] が有効な項目が対象です。ケースルーティングやレコードトリガーのような、処理の速さが大事な場面には使わないよう案内されています。[13]

想定工数の目安

問い合わせの内容から、種類を自動で振り分ける8〜20時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

過去のケースが少なくても使えますか。

モデルを作るには、過去 6 か月のクローズケースが 400 件以上必要です。400〜1,000 件でも作成はできますが、件数が少ないと予測の結果に悪影響が出る可能性があると案内されています。[3][4]

AI が選んだ値を、そのまま保存させてもよいですか。

項目ごとに決められます。[値を自動化] は、信頼性しきい値を超えた予測だけを担当者の確認なしで保存する設定で、アドオンライセンスのある版で使えます。まず上位 3 つの推奨から始める進め方が案内されています。[6][3]

日本語の問い合わせでも分類できますか。

2026年10月時点のヘルプでは、Einstein 分類アプリケーションのサポート言語に日本語が含まれています。[3]

どのくらい当たっているか、確かめられますか。

モデルの [概要] タブで、上位 3 件の推奨値や最上位の推奨値が、クローズ時の値と一致した頻度を見られます。このダッシュボードは AppExchange パッケージとして提供されています。[12]

出典

  1. Einstein ケース分類アプリケーションを使用したケース項目の自動入力(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_what_is.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  2. Einstein 分類の主要な概念(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_key_concepts.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  3. Einstein 分類アプリケーションの準備(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  4. Einstein 分類モデルの設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_new_model.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  5. 予測する項目の選択に関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_field_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  6. Einstein 分類の予測の信頼性(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_confidence_faq.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  7. Einstein 分類アプリケーションの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_enable.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  8. Einstein 分類モデルの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_build_model.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  9. Einstein 分類アプリケーションへのアクセス権をサービス担当者に付与(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_enable_perm.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  10. サービスコンソールへの Einstein 分類アプリケーションの追加(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_lex_setup.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  11. Einstein 分類モデルの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_activate.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  12. Einstein 分類アプリケーションのパフォーマンスの追跡(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_performance.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  13. フローのケース分類(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=service.cc_service_flows.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  14. フローコアアクション: プロンプトテンプレートアクション(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.flow_ref_elements_actions_generate_prompt_response.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  15. プロンプトビルダー(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_about.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
  16. プロンプトビルダーの制限および考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.prompt_builder_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)

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