Salesforceで社内の質問に答えるAIエージェントを作る方法
「この項目には何を入れるの?」といった社内の質問に、そのつど同じ説明をしていることがあります。Salesforce の Agentforce には、社内ルールをまとめた記事やファイルをもとに、従業員の質問に答えるエージェントを作る仕組みがあります。このページでは、従業員エージェントとデータライブラリを使う進め方と、使う前に確かめたい前提をまとめます。
このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。
この内容で相談するこんなことで困っていませんか
- 記事やファイル社内ルールや手順書
- データライブラリ検索できる形に取り込む
- 従業員の質問Agentforceパネルで質問
- 従業員エージェント関連部分を探して回答
- 権限内の回答出典リンクも添えられる
本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。
なぜ起きるのか
社内ルールの文書は、そのままでは AI の回答の材料になりません。Agentforce では、ナレッジ記事やファイルをデータライブラリに取り込み、検索できる形にしてから使います。[6][10]
データライブラリを作ると、Data 360 の側でデータストリームや検索インデックスが自動で作られます。質問を受けると、関連する部分を探してプロンプトに加え、それをもとに回答を作ります。[6]
元の文書の質は、そのまま回答に表れます。記事の内容が誤っていたり、記事どうしで書いてあることが違ったりすると、エージェントはその内容をもとに答えます。[7]
従業員エージェントは、ログインしている従業員の権限で動きます。プロファイル、権限セット、共有ルールの設定が、答えられる範囲を左右します。[1][15]
直し方の選択肢
社内ルールの置き場所と、決まりの固さによって組み合わせを選びます。[9][8][17]
- 方法 1Salesforce ナレッジの記事をもとにするデータライブラリで、記事の識別項目と内容の項目を選びます。使えるのはテキスト型とテキストエリア型の項目で、対象は公開済みの記事です。[9]
- 方法 2ファイルをもとにする規程や手順書のファイルをデータライブラリにアップロードします。2026年10月時点では、テキストと HTML は 4 MB まで、PDF は 100 MB までです。[8]
- 方法 3回答に出典を付ける[ソースを表示] を選ぶと、回答のもとになった記事へのリンクを回答に添えられます。[9][10]
- 方法 4動きを固定したいルールはアクションに書く指示文の解釈は AI に任されます。結果がぶれては困る判定は、フローなどのアクション側に組み込むよう案内されています。[17]
作業の流れ
- 前提を整える:Data Cloud(Data 360)が有効なことを確かめ、[設定] の [Einstein 設定] で Einstein を有効にします。続いて [設定] の [Agentforce Agents] から Agentforce を有効にします。[5][4]
- 元になる情報を整える:記事は 1 つのテーマに絞り、用語をそろえます。公開する前に、手順やルールが正しいかを確かめます。[7]
- データライブラリを作る:[設定] の Agentforce データライブラリで [新規ライブラリ] をクリックし、記事かファイルを選びます。データソースは、あとから変更できません。[20][8]
- 従業員エージェントを作る:Agentforce Studio の [エージェント] タブで [新規エージェント] をクリックし、Agentforce 従業員エージェントテンプレートを選びます。[データ] セクションでデータライブラリを選びます。[1]
- 試す:[プレビュー] で実際の質問を入れ、[インタラクションの概要] でどのアクションが使われたかを確かめます。ライブラリの内容からテストケースを作る機能もあります(2026年10月時点でベータ)。[14][18]
- 使う人を決めて有効化する:[エージェントアクセス] で権限セットかプロファイルを追加し、エージェントを有効化します。Lightning Experience の Agentforce パネルとモバイルアプリで使えます。[11][12]
気をつけること
- 2026年10月時点で、従業員エージェントは Foundations Edition または Agentforce 1 Edition が付いた Enterprise Edition などで使えます。Flex Credits も要ります。[3]
- エージェントが呼んだアクションの数に応じて、クレジットを消費します。データライブラリは Data 360 のクレジットを使います。始める前に、Salesforce のアカウントチームと使用量を計画するよう案内されています。[2][8]
- エージェントは、使う人のライセンス、権限、項目レベルセキュリティ、共有設定に従います。見せたくない項目は、エージェントを公開する前に権限の側で絞ります。[15][16]
- 日本語は、従業員エージェントがサポートする言語に入っています。それでも、回答の内容はプレビューで確かめてから公開します。[2][14]
- 2026年4月以降、「トピック」は「サブエージェント」と呼ばれるようになりました。資料によっては古い名前のまま書かれています。[19]
- 2026年7月13日の週以降、従来の Agentforce Builder の [設定] からはエージェントを作れません。Agentforce Studio の Agentforce Builder を使います。[1]
想定工数の目安
社内の質問に答える、AI のアシスタント16〜40時間
想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。
質問と答え
「この項目には何を入れるの?」という質問にも答えられますか?
データライブラリの記事やファイルに、その項目の説明が書いてあれば、それをもとに答えます。説明が足りないと、もっともらしいが誤った情報で補うおそれがあると案内されています。項目ごとの入力ルールを、記事やファイルにまとめておくことが前提です。[6][7]
社員によって見てよい情報が違っても使えますか?
従業員エージェントは、ログインしている人の権限で動きます。プロファイル、権限セット、共有ルールが、答えられる範囲に反映されます。エージェント自体を使える人も、権限セットかプロファイルで決めます。[15][11]
Slack から質問できますか?
できます。Salesforce と Slack を接続し、エージェントに Slack の接続を追加します。Slack の中でも、エージェントは使う人の Salesforce のライセンスや権限に従います。追加の認証やライセンスの手順が要る場合があります。[13][2]
社内の情報が、外部の AI の学習に使われることはありますか?
Einstein Trust Layer のゼロデータ保持ポリシーにより、外部の LLM 提供者がデータを保存したり、学習に使ったりすることはないと説明されています。なお、エージェントでは Einstein Trust Layer のデータマスキングは無効になっています。[16]
出典
- Agentforce 従業員エージェントテンプレートからエージェントを作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_employee_agent_setup.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Agentforce 従業員エージェントに関する考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_employee_agent_considerations.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- エージェント種別と考慮事項(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_setup_explore_types.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Agentforce の有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_setup_enable.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Einstein 生成 AI の設定(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.generative_ai_enable.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- データライブラリとは?(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.data_library_concept.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- ソースコンテンツの準備(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.data_library_prepare.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- アップロードされたファイルの使用(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.data_library_file_upload.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Salesforce ナレッジの使用(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.data_library_select_fields.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- 「Knowledge を使用した質問への回答」アクションの使用(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_setup_data_sources.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- 従業員エージェントアクセスの管理(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_manage_aea_access.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Lightning Experience およびモバイルへのエージェントの接続(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_deploy_emp_lex.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Slack へのエージェントの接続(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_deploy_emp_slack.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Agentforce Builder でのエージェントのテスト(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_test_in_builder.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- エージェント実行コンテキストと種別ごとのデータアクセス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_execution_data.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Trust and Agentforce(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.copilot_trust.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- 従来のビルダーでのサブエージェント手順のベストプラクティス(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.copilot_topics_instructions.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- Knowledge Source からのテストの生成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.agent_studio_testing_center_knowledge_sources.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- エージェントの設計と実装(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.copilot_intro.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)
- データライブラリの作成(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?id=ai.data_library_create.htm&language=ja&type=5(2026-10-23 確認)