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開発例 No.55

Salesforceで取引先を地図に表示し、近くの訪問先を探す方法

取引先の住所は Salesforce に入っていても、一覧の文字だけでは、どの訪問先が近いのか分かりにくいものです。Salesforce には、住所を地図に出す機能と、住所から緯度・経度を付ける機能があります。このページでは、取引先を地図で見るための選択肢と、設定の流れをまとめます。

執筆 徳 雅俊(Salesforce 認定アドミニストレーター/Platform デベロッパー)・2026.10.23 公開

このページは、ご依頼いただける開発の例の解説です。実際の導入事例ではありません。機能の説明は、末尾の Salesforce 公式の資料で確かめた内容です。

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こんなことで困っていませんか

  • 取引先の住所は入っているが、一覧では訪問先どうしの近さが分からない。[1][2]
  • 外出の予定を立てるとき、近くにある別の取引先に気づけない。[9][10]
  • 取引先の詳細ページに地図が出るものと、出ないものがある。[1]
  • 緯度・経度を使いたいが、取引先の画面のどこにも見当たらない。[2][4]
この開発でつくる仕組み(イメージ)
  1. 取引先の住所町名・番地や都道府県
  2. 地理コードルール住所に緯度・経度を付ける
  3. 地図の画面部品複数の地点を地図と一覧に
  4. 近い順の並びDISTANCE関数で並べる

本文の説明を図にしたものです。実際の構成は、組織の設定によって変わります。

なぜ起きるのか

住所は文字の項目なので、そのままでは距離の計算や地図上の位置に使えません。位置を表すには、緯度・経度・精度からなる地理コードが要ります。[2]

地理コードは、取引先の請求先住所と納入先住所に用意されています。値を入れるには、地理コードのデータインテグレーションルールを有効にします。[2][6]

地理コードの項目は、レコードの画面には表示されません。値が入っていても、API や数式項目を使わないと確かめられません。[4]

地図およびロケーションサービスで地図を出すには、町名・番地と市区郡に加え、都道府県・郵便番号・国のどれかが要ります。どれかが欠けた住所では、詳細ページに地図が出ません。[1]

直し方の選択肢

見たいものに合わせて、次の方法を選びます。1 件ずつ見るなら標準の設定、複数の取引先を並べるなら地理コードと画面の開発、訪問計画まで扱うなら Salesforce Maps が候補です。[1][8][10]

  • 方法 1地図およびロケーションサービス[設定] の [マップおよび場所の設定] で有効にすると、標準の住所項目に地図が表示されます。取引先 1 件ずつの確認に向きます。[1]
  • 方法 2地理コードルール[データインテグレーションルール] で [取引先住所 (請求先) の地理コード] などを有効にし、取引先に緯度・経度を入れます。[3][6]
  • 方法 3地図の画面部品Lightning Web コンポーネントの lightning-map に複数の地点を渡し、地図と一覧で表示します。SOQL の DISTANCE 関数で、ある地点から近い順に並べることもできます。[8][9]
  • 方法 4Salesforce Maps取引先などのオブジェクトを地図に表示する製品です。Salesforce Maps Advanced では、スケジュールとルートを最大 3 か月分自動で作れます。ライセンスの購入が別に必要です。[11][12][14]

作業の流れ

  1. 取引先の請求先住所に、町名・番地、市区郡、都道府県などがそろっているか確かめます。[1]
  2. [設定] の [クイック検索] に「マップ」と入力し、[マップおよび場所の設定] で地図およびロケーションサービスを有効にします。[1]
  3. [データインテグレーションルール] で地理コードのルールを選びます。まず [すべてのレコードを更新] を外して数件で試し、問題がなければオンにして保存します。[3][6]
  4. 取引先を開き、[新規データを確認] でルールの状況を見ます。あわせて API で緯度・経度に値が入ったかを確かめます。[5]
  5. 利用者に、取引先の参照・編集のアクセス権と、住所項目の項目レベルセキュリティを付与します。[7]
  6. 複数の取引先を地図で見る画面が要るときは、緯度・経度を使う lightning-map の画面を作り、近い順の並びには DISTANCE を使います。[8][9]

気をつけること

  • lightning-map で住所から位置を求める件数は、1 つの地図につき 10 件までです。超えた住所は表示されません。多くの地点を出すときは緯度・経度を渡し、合計は 100 地点までが推奨されています(2026年10月時点)。[8]
  • 地理コードルールは、取引先などのレコードが 1,000 万件を超えると実行されません。更新のたびに地理コード項目の値は上書きされます。[3][4]
  • 地理コードをカスタム項目に対応付けるときは、テキスト項目にする必要があります。画面に出したいときは、数式項目を使う方法が案内されています。[4][7]
  • 距離の計算に使う数式項目では、空の値をゼロとして扱わない設定にします。ゼロとして扱うと、緯度・経度が空の取引先で、緯度 0 度・経度 0 度からの距離になります。[9]
  • Salesforce Maps の地理コード処理は、すでに入っている緯度・経度を置き換えません。値が 0,0 のレコードはその地点に表示されるため、地理コードし直すときは座標項目を空にします。[13]
  • 組織で Salesforce オフラインアクセスを有効にしている場合、端末がオフラインのときは住所の地図が表示されません。[1]

想定工数の目安

取引先を、地図の上で見る4〜12時間

想定工数は、要件の確認から動作確認・本番反映の手順までを含む実働時間です。※Salesforce の環境(構築済みの仕組みや設定など、さまざまな要素)や、要件によって工数は大幅に前後するため、あくまでも目安です。

質問と答え

取引先の詳細ページに地図を出すだけなら、開発は要りますか。

[マップおよび場所の設定] で地図およびロケーションサービスを有効にすると、標準の住所項目に地図が表示されます。住所に町名・番地と市区郡、さらに都道府県・郵便番号・国のどれかが入っている必要があります。[1]

地理コードルールを有効にしたのに、緯度・経度が画面に出ません。

地理コードの項目は、レコードの画面には表示されない作りです。API で値を確かめるか、数式項目を作ってページレイアウトに置きます。[4][5][7]

一覧の取引先を、まとめて地図に出せますか。

lightning-map を使った画面を作ると、複数の地点を地図と一覧で表示できます。住所から位置を求めるのは 1 つの地図で 10 件までなので、それより多いときは地理コードの緯度・経度を渡します。[8][2]

訪問のルートを自動で組めますか。

Salesforce Maps Advanced の訪問計画で、スケジュールとルートを最大 3 か月分自動で作れます。Salesforce Maps のライセンスは、Salesforce のユーザーサブスクリプションの数まで購入できます。[11][12]

出典

  1. 地図およびロケーションサービスが利用可能に(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=xcloud.customize_maps.htm(2026-10-23 確認)
  2. 地理コードの項目と精度(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.data_dot_com_clean_geocode_information_fields.htm(2026-10-23 確認)
  3. データサービスのデータインテグレーションルールの有効化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.ddc_data_integration_rule_activating.htm(2026-10-23 確認)
  4. 地理コードデータインテグレーションルールについて(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.data_dot_com_clean_admin_considerations_for_setting_up_clean_rules.htm(2026-10-23 確認)
  5. Lightning Experience と API を使用して、地理コードが追加されたことを確認(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.data_dot_com_clean_verify_that_geocode_information_was_added_to_records_lex.htm(2026-10-23 確認)
  6. 地理コードのデータインテグレーションルール(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.data_integration_geo_rules.htm(2026-10-23 確認)
  7. 地理コードルールの権限の付与(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.data_integration_rules_geo_perms.htm(2026-10-23 確認)
  8. lightning-map(Lightning Component Reference)developer.salesforce.com/docs/platform/lightning-component-reference/guide/lightning-map.html(2026-10-23 確認)
  9. Location-Based SOQL Queries(SOQL and SOSL Reference)developer.salesforce.com/docs/platform/salesforce-soql-sosl/guide/sforce-api-calls-soql-geolocate.html(2026-10-23 確認)
  10. Salesforce Maps(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.salesforce_maps_intro.htm(2026-10-23 確認)
  11. Salesforce Maps でサポートされるエディション(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.salesforce_maps_editions.htm(2026-10-23 確認)
  12. Salesforce Maps でのユーザーのスケジュールとルートの自動化(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.salesforce_maps_setup_visit_plans.htm(2026-10-23 確認)
  13. Salesforce Maps でレコードをプロットするための地理コード(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.salesforce_maps_setup_batch_geocode.htm(2026-10-23 確認)
  14. Salesforce Maps でプロットするオブジェクトの選択(Salesforce ヘルプ)help.salesforce.com/s/articleView?language=ja&type=5&id=sales.salesforce_maps_setup_base_objects_manage.htm(2026-10-23 確認)

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